スタバへの「タンブラー持参」が1.7倍に 新たな「部活動」が後押し:アプリでクマ育成(3/3 ページ)
スタバがこの夏、顧客を巻き込んだ“部活動”を始動させた。タンブラーをもっと楽しく気軽に、そして継続的に利用してもらうことを目指した顧客参加型のプロジェクト「タンブラー部」だ。同プロジェクトが開始した5月31日からの1カ月間で、タンブラーの利用は124万杯を突破するなど好調だ。
「公式フラペチーノ」もけん引 「入り口」はどこでもいい
さらに、今回は「タンブラー部公式フラペチーノ」を販売したこともキャンペーンの盛り上がりに大きく貢献したと山根さん。「夏はフラペチーノを目当てにお客さまが増えるため、限定フラペチーノの投入はビジネスのドライバーになります」
「タンブラー部の情報に触れると公式フラペチーノも知る、もしくは、公式フラペチーノの情報に触れるとタンブラー部のことを知る――というリンクがあります。情報の入り口はどこであっても、何であっても良いので、ポスターやフラペチーノ、新作タンブラーなどたくさんの入り口を用意しています。今回も公式フラペチーノの売り上げと共に、プロジェクトが盛り上がりました」
また、キャンペーンに向けてタンブラー商品も多めに投入。サイズや形状をさまざま用意することで選択肢を増やした。
「今回小さく丸めて収納可能な『おりたたみシリコンボトル』を販売したところ、『これを求めていた!』と多くのお客さまに好評でした。今後は、今回のように商品の形状をイノベーションするなど、お客さまのニーズに応じてさまざまな商品を投入することで、タンブラー利用のハードルを払拭していきたいですね」
会員1000万人へのアプローチも 部員増に取り組む
1カ月のキャンペーンを終えて、タンブラー利用は約124万杯を記録。これは、前年の月間利用の1.7倍だ。山根さんは「昨年のキャンペーンと比較しても、かなりいい結果」と振り返る。
今後は、ロイヤルカスタマー以外の層の利用も増やしていきたいと山根さん。
「今回はべアリスタのコンテンツを中心に、スターバックスと関わりの深いロイヤルカスタマーに大変喜んでいただけました。一方で、まだスターバックスの会員になっていない人、あまり利用していない人などは巻き込みきれていません。そういう方々にどうアプローチしていくかが今後の課題になります」
「スターバックスリワード会員は約1000万人います。リワード会員かつタンブラー部員の数をどう増やしていくか、その訴求方法なども検討していきます。デジタルと店舗の両方の取り組みを強化し、より多くのお客さまを巻き込んでいきたいと考えています」(山根さん)
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