インタビュー
駅構内の「びゅうプラザ」全て閉店→オンライン化へ 苦悩を越えて得た「逆算のDX思考」:社員の意識変化(1/2 ページ)
JR駅構内に存在していた「びゅうプラザ」。現在は姿を消し、旅行商品の売り場はオフラインからオンラインに移っていった。オンライン上で蓄積されるデータを活用できるようになるまでの苦労や社員の意識変化について、JR東日本びゅうツーリズム&セールスに聞いた。
関東圏にお住まいの読者なら、JR駅構内で多くの旅行パンフレットが並ぶ「びゅうプラザ」を見たことはないだろうか。
JR東日本の旅行会社であるJR東日本びゅうツーリズム&セールスは、旅行商品の販売店舗としてびゅうプラザを運営していた。最盛期には100店舗以上を展開。しかし時代は移り変わり、旅行者はカウンターで旅行先を相談する時代から、Web上で各自が目的地を探してツアーを予約するようになった。
こうした潮流の変化もあり、15年から徐々にびゅうプラザは姿を消すことになる。22年2月28日、JR新潟駅構内の店舗の営業終了をもってびゅうプラザは全て閉店となった。現在は観光案内やWeb予約のサポートを行う「駅たびコンシェルジュ」にリニューアルしている。
販売チャネルの大転換を図る過程で同社は、オンライン上で蓄積されるデータの活用に頭を悩ませていた。そこでデジタルツールを導入してデータの可視化を果たしたところ、部門間を超えて「ある視点」が身に付いたという。
オンライン移行の裏側で起きていた「苦悩」
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