任天堂の決算で『ゼルダの伝説』の影響はどのくらい大きい? 映画『マリオ』は?(3/3 ページ)
任天堂の2023年4〜6月期連結決算が発表され、過去最高益を記録した。主な要因は『ゼルダの伝説』シリーズ新作の売り上げだが、映画『マリオ』への言及が控えめだ。その理由とは。
良い商品は必ずしも売れるとは…
ちなみにゼルダの伝説の売れ行きと、よく似ているゲームソフトが3年前にありました。『あつまれ どうぶつの森』(あつ森)です。
あつ森ですが、新型コロナウイルスの巣ごもり需要もあり、最初の決算(約10日間)で世界出荷数1200万本弱、次の四半期(2020年4〜6月)で出荷数1000万本強。合わせて2200万本を出荷しました。ゼルダの伝説との比較は難しいものの、似たレベルで売れているのです。
長年取材して感じるのは、「良い作品が必ずしも売れるとは限らない」という、ビジネスの厳しい一面です。そして、どのエンタメ企業も「良い作品を!」と命を削っているわけです。
そうした中で、任天堂は世界規模で何作品もヒットさせるような「結果」を出しています。ゼルダの伝説というコンテンツを40年近くも育ててから、大きく花を咲かせた……というところに、底知れぬ“怖さ”を感じるのです。
書き手:河村 鳴紘(かわむら・めいこう)
ゲーム、アニメ、マンガなどを主戦場にするフリーランスのサブカルライター。ヤフーオーサー、マンガ大賞選考員。メディア所属時には、決算会見や各発表会に参加し、独自記事なども執筆。20年以上ゲーム業界を中心に取材している。2020年5月、「『ドラゴンクエスト』大ヒット連発なぜ? 30年前の伝説の熱狂」でヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞した。「文春オンライン」や「Number Web」(ともに文藝春秋社)などでも記事を執筆。静岡放送などでラジオに出演することも。
ヤフーニュース個人:「河村鳴紘のエンタメ考察記」
Twitter:@kawamurameikou
note:河村鳴紘
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