「新型アルファード」価格が爆上がり 転売ヤーが相変わらず減らない理由:高根英幸 「クルマのミライ」(2/6 ページ)
トヨタの新型アルファードの人気がすさまじい。新車がなかなか手に入らないこともあって、オークション価格が上昇しているのだ。「アルファードが欲しい」という消費者にとっては、逆風が吹いていて……。
業者のオークションで転売ヤーがボロもうけ?
最近、新型アルファードのオークション価格が爆上がり、というのがネットニュースで飛び交った。ランドクルーザー300やレクサスLX500と同じように、新古車価格が高騰しているのである。その額およそ2600万円。最も高額なグレードで比較しても4倍以上になる高騰ぶりだ。
随分早くから予約を入れていたのか、ディーラーにコネでもあるのか、いち早く手に入れた業者がオークションに出品して、中古車販売店が争奪戦を繰り広げた結果、件の価格にまで跳ね上がったのである。こうした転売行為がクルマで目立つようになったのは、コロナ禍で半導体不足による生産の遅れにより納期が伸びてしまってからだ。
本当にそのクルマが欲しいユーザーにとっては、自分の納期が長くなってしまうなど迷惑を被る。けれども早く手に入れるためには新車以上の金額を払ってもいいと考えるユーザーも存在する。それが転売ヤーの利益になるのだ。
ディーラーにとっても転売行為は避けたいところ。そのため購入者には、納車後1年間は売却しないなどの誓約書を取るところもあるようだ。しかし、実際にはこれは強制力はないから構わずに即、売却する購入者も現れる。やはり日本の場合、どこか性善説が根底にあって、対策がいまひとつ決め手に欠けるのだ。
もちろん誓約書を取っている以上、それを無視して売却すれば、ペナルティーはある。といっても強制力はないと書いた通り、ディーラー側でできるのは、ブラックリスト入りして今後の取引を行わなくすることだ。
これは効果のある対策に思えるが、実際にはそうでもない。というのもクルマの販売経路は、思った以上に複雑だからだ。
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