「新型アルファード」価格が爆上がり 転売ヤーが相変わらず減らない理由:高根英幸 「クルマのミライ」(3/6 ページ)
トヨタの新型アルファードの人気がすさまじい。新車がなかなか手に入らないこともあって、オークション価格が上昇しているのだ。「アルファードが欲しい」という消費者にとっては、逆風が吹いていて……。
転売行為を止めることは難しい複雑な販売経路
国産の新車ならば自動車メーカーの生産工場から出荷された車両は、プールされた後にキャリアカーなどでディーラーへと運ばれる。つまりメーカーからディーラー、そしてユーザーへと納められる。
それだけなら非常にシンプルな構造なのだが、実際には地域ごとでもディーラーはいくつもあり、トヨタも日産もホンダも今やチャンネルごとの車種縛りはないから、別の系列ディーラーで購入すればいいという抜け道ができてしまうのだ。
正直に言って、他店でブラックリスト入りしているようなユーザーと取引したくないディーラーもあるだろうが、1台でも多く販売したいという事情もあり、販売してしまうディーラーが出てくることは避けられないだろう。
それでもこんなことが通用するのはせいぜい数回と思われるかもしれないが、県外でも購入は可能なので、かなりのディーラーから購入することができる。さらに、ユーザーが新車を購入するのはディーラーだけではないのだ。
街の整備工場や小さな販売店は、販売協力店としてディーラーから車両の供給を受けて新車を販売している。これは業販(業者間販売)という形だが、信頼できる整備工場として長年付き合いのあるユーザーは新車もそこから購入するケースもあり、ディーラーにとっても強力な援軍なのである。
サブスクを展開しているKINTOであったり、2年以上の分割払いでディーラーに所有権を留保してもらったり、それくらいしか転売を防ぐ方法はなさそうだ。これとて、分割払いの残債を返済して、所有権を解除するよう要請されれば、拒むのは難しい。
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