自販機業界に地殻変動? 「140円」の缶コーヒーは高いと感じるのに、「1000円」のラーメンが売れるワケ:ラーメン、カレー、駅弁(2/5 ページ)
自販機業界に変化の波が訪れている。これまではたばこや飲料の販売がメインだったところが、ラーメンにカレー、駅弁といった「食べもの」を中心にさまざまな商品がラインアップされるように。いったいなぜ?
自販機市場は縮小傾向 一大要因が「たばこ離れ」
日本は「自販機天国」ともいわれるほど、街中で多く自販機を見かけます。しかし、設置台数は年々減少傾向にあります。日本自動販売システム機械工業会(東京・新宿区)の調査によると、10年前には500万台を超えていましたが、22年時点では400万台を割り396万台にまで落ち込んでいます。
「396万台」という数字には、両替機や精算機、コインロッカーなどの自動サービス機、さらにたばこ・食品・日用品の自販機、食券や入場券などの券売機なども含まれています。自動サービス機の129万台を除くと、ものやチケットなどを購入する自販機総数は267万台です。この数字が、いわゆる「自販機」の国内市場を計る現実的なものでしょう。全盛期と比較して減少したとしても、国内にあるコンビニ軒数の50倍近くにまで達しています。「一番小さな店」でありながら、圧倒的な数を誇る巨大な流通網が自販機なのです。
自販機の商品別内訳を見ると、実態がよく分かります。国内自販機の83.8%は「飲料自販機」が占めており、そのほとんどは清涼飲料です。次いで、衛生用品や新聞、カードなどの「日用品雑貨自販機」が位置します。「たばこ自販機」は年々減少を続けていて、今や9万台ほどにまで落ち込みました。自販機市場が縮小した一大要因は、たばこ自販機の減少にあるといえるでしょう。「たばこ離れ」が進む中、当然の結果といえます。
飲料自販機も、少しずつではありますが減少が続いています。16年には247万台の飲料自販機がありましたから、7年で23万台もの減少です。特に清涼飲料では14万台も減少しています。飲料自販機の売り上げが年々減少していることで、設置台数も減ってきたのです。
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