リクルート新オフィス探訪 「少し高いランチ」や「真っ赤な空間」の狙いは？：ハイブリッドワークの挑戦（3/4 ページ）

新オフィスをオープンしたリクルート。過去には「モーレツ社員が働く会社」とのイメージも強かった同社だが、働き方もオフィスも最新のものへと変わっているという。どのようなオフィスで、どのような働き方をしているのか。

[渡辺まりか，ITmedia]

本格ジェラートや「少し高い」ランチで交流

　22階にはカフェスペースがあり、利用できる時間は午前9時から午後5時。小川珈琲の豆を使ったコーヒー、カフェラテやジェラート、ケーキなどを提供している。案内担当者によれば、社員に人気なのが各種ジェラートで、チーム内のメンバーから「おごってくださいよ」と言われることもしばしばで、交流のきっかけとなっているという。

ホッと一息つくのにも、コミュニケーションにも活用可能なカフェでは、専門店さながらのメニューが提供される

カフェで提供しているアイスコーヒーとジェラート。ジェラートは複数の種類が用意されている

　カフェは午後5時から午後8時、バースペースに変わる。アルコールだけでなく、生ハムやチーズ、パスタなども提供するというので、気軽な部署やチームでの「飲みニケーション」が期待できそうだ。

　カフェの奥にある「テンポラリー」は、自社や取引先企業の新商品やプロダクトを置いてのテストマーケティングや、ご当地物産展など、各種の展示イベントを開催できるスペースだ。「組織の垣根を超えた出会いを創出したり、集まったりする」ことが狙いとなっている。

物産展なども行えるテンポラリースペース。テストマーケティングの場としても活用されている

　「おなかでつながる」をコンセプトにしたダイニングもある。「集まる、交わる、出会う、コミュニケーションすることにおいて、食は非常に重要かつ良い機会だと考えている」と、ワークプレイス統括室室長 佐野敦司氏は話す。

広々としたダイニング。コンセプトは「おなかでつながる」

　いわゆる「社食」としてイメージする食事よりも、少し高価でも質の高いものを目指しているという。毎朝、昆布とかつおで出汁を取り、ご飯はかまど炊きのものを使う。注文が入ってから調理するため、できたてを味わえる。価格は、650円と850円の二段階制。社食のイメージよりは高価でも、オフィス周辺のランチよりは安くなるように狙った金額だという。支払いはAirペイを活用したキャッシュレス払いのみとなっている。

ダイニングが提供しているメニューの1つ。そのほか、カレーなどもある

　座席数は325。もっとも、ダイニング以外のスペースでも飲食可なので、社員たちは思い思いの場所に数人で集まって座り、食べながら会話を楽しんでいた。1人だけで食べている人は少ない印象だ。

　どこでも作業できるよう、CO-ENフロアにはAC出力可能な貸出用モバイルバッテリーが用意されているのも興味深かった。これならAC電源を増設するより、レイアウトに柔軟性をもたせられる。

貸出用モバイルバッテリーはOmni Power Station。スロットに戻すだけで充電が始まり面倒がないこと、取り出すとスロットが空きその空白を埋めたくなることなどから、「みんな必ず元の場所に返してくれる」のだとか（画像は筆者撮影）

　41階は、フロアに仕切りがないため、広々としている。入り口から見える側がガラス張りということもあり、半端ない開放感を味わえる。眼下に広がる風景や、晴れた日には遠くに山々を眺められるため、仕事の合間に目を休めたり、リフレッシュしたりすることもできそうだ。

広々とした41階のCO-ENフロア。開放感にあふれたスペースだ