ワイモバイル「値上げ」 経済圏の使いこなしは必須か(2/2 ページ)
10月以降に始まるワイモバイルの新料金プランにおける「値上げ」が注目を集めている。一方、固定回線やクレジットカードなどの割引は増えていることから、ソフトバンク・PayPayの経済圏を使いこなすことは必須といえそうだ。
PayPay経済圏との連携も進む
国内では物価上昇が続く中、携帯キャリアが料金を値上げしてもそれほど驚きはない状況になりつつあります。
とはいえ、現在の料金プランが一連の「携帯値下げ」政策によって生まれた経緯を踏まえると、大々的な値上げは難しいという空気も感じるところです。
そのため、auが提唱した「マネ活」のように、「経済圏の活用次第ではポイント還元などでおトクになる」という施策の導入がさらに進んでいくと筆者は考えています。
ワイモバイルの料金プランには月額508円の有料サービス「Yahoo!プレミアム」が含まれており、Yahoo!ショッピングでの買い物でポイント還元を得られるなどの特典があります。
さらに新料金プランでは、PayPayカードで料金を支払うと月額187円の割引になる「PayPayカード割」も始まります。他キャリアではdカードやau PAY カードで同様の仕組みがあります。
PayPayといえばコード払いで知られていますが、最近はクレカに注力しており、ワイモバイルの利用者もしっかり経済圏に取り込んでいく狙いが感じられます。
すでにPayPayカードにはワイモバイルの料金支払いでポイントがたまる特典がありますが、「PayPayカード割とは別の特典として、引き続き提供する予定」(PayPay広報)とのことです。
利用者目線では「シンプル」とは言い難い方向に進んでいる感はあるものの、経済圏を広げたいという事業者の思惑をうまく活用することで、毎月の負担を減らしていきたいところです。
書き手:山口 健太(やまぐち・けんた)
1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
ヤフーニュース個人:「ITジャーナリスト2.0 山口健太」
Twitter:@yamaguc_k
公式Webサイト:山口健太
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