相次ぐスマホ日本勢の撤退 どうすれば生き残れたのか(1/3 ページ)
元富士通のスマホメーカー「FCNT」が民事再生法を申請。スマホ市場から日本勢の撤退が相次ぐ中、大きな話題となっている。果たして生き残れる道はあったのか、筆者の視点から業界の動きを振り返ってみた。
この記事は、Yahoo!ニュース個人に6月2日に掲載された「相次ぐスマホ日本勢の撤退 どうすれば生き残れたのか」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
元富士通のスマホメーカー「FCNT」が5月30日に民事再生法の適用を申請。スマホ市場から日本勢の撤退が相次ぐ中、大きな話題となっています。果たして生き残れる道はあったのか、筆者の視点から業界の動きを振り返ってみました。
携帯キャリアに依存してきたビジネスモデル
5月には京セラやバルミューダがスマホ事業からの撤退を発表。その背景として、法改正による値引きの制限や携帯キャリアとの関係が影響したと分析されています。こうした業界内の話は一般にはなかなか伝わってこなかったように感じるところもあるので、まずはこれまでの流れをざっくりと振り返ってみたいと思います。
携帯キャリアは端末メーカーから買い上げた端末を全国に販売しており、日本のスマホ市場ではこの「キャリア市場」が9割を占めています。
例えば、arrowsシリーズの最新機種「arrows N F-51C」は、ドコモの型番がついたドコモの商品という位置付けです。
一般に、こうした端末はキャリアと端末メーカーが協議して仕様を決め、キャリアが調達する台数を決めて発注。キャリアの発表会でお披露目されます。
最近ではキャリアによる大々的な発表会は減っており、端末メーカーの発表会にキャリアが登壇するというパターンも見かけるようになりました。
ただ、端末メーカー幹部の話を聞いていると「キャリア様、ユーザー様のご支持を得て……」といった言い回しが出てくることがあり、最も重要な顧客がキャリアであることを実感できます。
さて、こうしてドコモに納入された端末は全国のドコモショップなどで販売され、修理やサポートもドコモが受け付けます。(現在でも各キャリアはFCNT製品の在庫を抱えているとみられ、ドコモ、au、ソフトバンクは今後も販売やサポートを続ける方針を打ち出しています)
サポートに寄せられる相談といっても、大半は「Googleアカウントのパスワードを忘れた」のような話なので、そのあたりはキャリアに任せることで、FCNTは製品の開発に集中できます。
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