「立ち寝仮眠ボックス」の寝心地は? 開発の狙いを聞いた:経済の「雑学」(3/4 ページ)
「立ち寝」という新しい休息スタイルを提案し、注目されている立ち寝仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」。一体どんな寝心地なのか、体験してきた。
オフィスにマッチする「仮眠ボックス」として開発
広葉樹合板社が同製品の開発に着手したのは、およそ1年前にさかのぼる。イトーキが所有する開放特許「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」のライセンス契約を締結し、オフィスで仮眠しやすいボックスをつくろうと考えたという。
「仕事中に眠気を感じても、就業時間中に仮眠することはネガティブなイメージがあると思います。そういった風潮を変えたいと、オフィスにマッチするデザイン、かつパフォーマンスの向上につながる構造を目指して開発しました」(広葉樹合板社 常務取締役/関東支店長 野原嘉人氏)
「立ち寝」のスタイルは、電車のなかで立って寝ているビジネスパーソンからヒントを得たそうだ。
「つり革につかまって立った状態で寝ている人は、時々ヒザがガクンとなりますよね。イトーキの開発者さんが、『それならヒザを支えてあげれば、立ったまま寝られるのではないか』と考え、特許の開発にいたったそうです」
北海道大学・台湾の国立成功大学との共同研究では、立ち寝の状態で睡眠段階2(軽い寝息をたてる程度の睡眠状態)まで到達。その状態のまま、30分以上の継続が実証されている。
オフィスで扱いやすいよう、大きさは小型の公衆電話ボックスほど。導入後は電源を入れておくだけでよく、メンテナンスもそれほど発生しないそうだ。シートは大手自動車メーカーが採用している素材を用いており、表面にはフッ素加工がされているので汚れづらい。顔が当たる部分には不織布を敷いて、使用のたびに取り替えることで衛生的にも問題ないとしている。
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