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YouTuber“ファンビジネス”の限界? 苦境のUUUM、身売りに至った切実なワケ:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(1/3 ページ)
UUUMは8月に広告関連事業を手掛けるフリークアウト・ホールディングスへの“身売り“を表明しました。苦境の理由がショート動画の台頭による広告収益の減少によるものだということはたびたび報じられており、ご存じの方も多いでしょう。しかし同社の決算をひも解くと、課題はそれだけではないことが見えてきました。
決算書から日本経済を読み解く本連載。
今回はYouTuber向け事務所を運営するUUUMを取り上げていきます。同社は8月に広告関連事業を手掛けるフリークアウト・ホールディングスへの“身売り“を表明しました。
苦境の理由がショート動画の台頭による広告収益の減少によるものだということはたびたび報じられており、ご存じの方も多いでしょう。しかし同社の決算をひも解くと、課題はそれだけではないことが見えてきました。
ショート動画で減益「だけではない」課題とは
UUUMの収益の柱はアドセンスによる収益です。所属しているクリエイターのYouTube配信によるアドセンス収益がUUUM側に入り、そこから手数料を取ってクリエイターに還元する仕組みとなっています。
その他にもタイアップ広告などのプロモーションに関する収益、クリエイターのグッズの制作販売による収益、ゲーム展開による収益など収益源の多角化を図っています。そんなUUUMは2023年5月期に、上場後初の赤字転落となりました。UUUMの現状や今後を、決算から見ていきましょう。
離脱する人気クリエイター 成長は鈍化
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