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山手線の駅にも! 自動改札機だけの「無人改札口」は、何のためにあるのか:経済の「雑学」(1/4 ページ)
東京圏の駅では近年、新しいタイプの「無人」改札が増えている。駅員はいるのだが、なぜか改札は無人なのだ。その理由は……?
近年、東京圏では有人駅でも一部の改札を無人にするところが増えてきた。多くの人は自動改札機を使用するので問題はないのだが、それでも何かあった場合の対応が必要になる。
JRの都心部の駅でも、早朝などの時間帯は駅員が改札周辺にいないケースもある。どちらの場合も、利用者から問い合わせがあった場合にはインターホンで対応している。
もちろん、国鉄時代から「無人駅」はある。しかし、もともとは閑散線区にしかなく、以前は車掌が対応していた。近年はワンマン運転が普及したことで、列車内の料金箱で対応している。
ところが最近、そうではないタイプの「無人」改札が大都市圏で増えてきている。
京王電鉄で無人改札が増える
京王電鉄の場合、以前は改札口に人がいた駅でも、小さな改札口には駅員を配置しなくなった。無人にして大きな改札口とインターフォンで連絡して対応するようにしているケースが増えてきた。理由は人手不足だ。
例えば、京王線と京王相模原線の分岐駅である調布駅だ。この駅には、中央口と東口の2つの改札がある。以前は両方に駅員がいたが、現在では中央口改札にしか人がいない。
調布駅の中央口改札は、駅前の大きな広場に出られるようになっていて、多くの人が利用する。自動改札機も多い。一方の東口改札は、住宅街や飲食店街に出られるようになっていて、中央口改札より利用者は少ない。東口改札には改札外に自動券売機があり、改札内には運賃精算機がある。東口改札で駅員を必要とする場合には、インターフォンで呼び出すことになる。
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