「即戦力」を採用したはずなのに……残念すぎるミスマッチを防ぐ2つの方法:QAで解説(1/2 ページ)
人材の争奪戦がますます激化する今、多くの企業が恐れているのが「採用のミスマッチ」だ。残念すぎるミスマッチを防ぐ2つの方法とは?
人材の争奪戦がますます激化する今、多くの企業が恐れているのが「採用のミスマッチ」だ。特に転職においては「即戦力」を求めて採用したのに、想定していた働きをしてもらえず、残念な結果になってしまった……なんてことも少なくない。
ミスマッチを起こさず「求める人材」を獲得するために気を付けるべきこととは――。社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所の薄井崇仁氏が解説する。
採用のミスマッチ なぜ起こるのか
Q: 当社は従業員数200人のIT関連企業です。今年度中に人事制度や社内体制の見直しなどの組織改革を行う予定です。そのため、人事部門での経験豊富な管理職クラスの採用を検討しています。実はこれまで即戦力採用を行ったことはなく、今回が初めてなので、当社が求める人材を的確に獲得できるか心配です。ミスマッチを起こさないために気を付けるべきことはありますか?
面接で応募者のどこをみていますか?
即戦力採用の採用条件においては、当然、必要なスキルや経験が重視されます。よく起こりがちなケースとして、応募者の経歴やこれまで従事してきた職務内容が素晴らしく、期待値以上の場合、そこにばかり焦点を当ててしまい、その人の人柄や自社の企業文化にマッチするのかという重要なポイントを見落としがちになります。その結果、採用後に企業風土になじめず、すぐに退職してしまったり、成果を上げられないローパフォーマー化してしまったりするケースがよくみられます。
また、大企業や異業種で数多くの組織改革を成功させ、さまざまな事業責任者を任せられていた実績を持っているような人が中小企業へ転職したとしても、必ずしも成果を上げられるとは限りません。大企業での経験を生かして、中小企業でも同じように組織改革していこうとしてもうまくいかないケースが多々あります。なぜなら、会社にはそれぞれの企業風土・組織文化があるからです。異なる文化のノウハウを導入しようとしても、それが必ずしもその組織に通用するとは限らないのです。
自社の型にはまらないものを無理に推し進めてしまうと、組織全体で迷走・混乱に陥ってしまうリスクもあります。
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