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溜池山王の無人本屋「ほんたす」が好発進 オープンして分かったことは?:2週間で会員3000人(3/5 ページ)
溜池山王駅にオープンした完全無人本屋「ほんたす ためいけ 溜池山王メトロピア店」が2週間で会員数3000人を突破し、反響を呼んでいる。オープンして、どのようなことが分かったのか。現地を取材した。
「安全性」と「快適さ」を追求
ほんたすを設計する際、もっとも配慮したのは「セキュリティ」だと、南氏は話す。
「女性でも安心して入れる店舗設計を意識しました。ガラス張りで本棚が低いので、外から中の様子が見えます。通常の書店は棚を高くすることで在庫を増やすのですが、安全性を優先しました。店内も明るくしています」
店内には4つの防犯カメラを配置し、死角がないようにした。日販のサポートセンターがリアルタイムで監視するほか、LINEで入退店と滞在時間も管理する。レジ横にはサポートセンターとビデオ通話ができるQRコードが表示されていて、困ったことがあれば遠隔で接客する。
完全無人ではありつつ、さまざまなトラブルに対応できそうな印象だ。
「空間デザインは街の本屋のような入りやすさ、親しみやすさを取り入れました。『ほんたす』のロゴのフォントも、また然りです。書店の顧客は50〜60代の男性がもっとも多いのですが、受け入れるべきは女性であり、女性の支持が得られるよう意識しています」
ブランドの認知や支持を広げるには女性の発信力が必要になるとの考えから、女性視点を大事にしているそうだ。
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