コロナで「売り上げが伸びた・落ちた飲食店」 どんな差があったのか?
「コロナ前後で売り上げが伸びた飲食店と減った飲食店の違い」の調査によると、売り上げが伸びた経営者の約3割は「大幅に増加」と回答した。売り上げが減少した飲食店の経営者は、どのような部分で差がついたと考えているのだろうか?
2020年から約3年間続いたコロナ禍により、飲食店は過去にないほどの危機に直面した。感染予防で客足が遠のいただけでなく、営業自粛による休業や時短要請など大打撃を受け、閉店に追い込まれた飲食店も少なくない。
飲食店の開業を支援するムジャキフーズ(東京都渋谷区)は「コロナ前後で売り上げが伸びた飲食店と減った飲食店の違い」に関する調査結果を発表した。
売り上げが伸びた企業の経営者のうち、約3割が「大幅に増加した(増加率50%以上)」(33.7%)と回答した。「やや増加した(同10〜50%未満)」は56.3%、「少し増加した(同10%未満)」は10.0%だった。
売り上げを伸ばすために始めた取り組みのうち、効果的だったものは「デリバリーサービスの拡充」(27.0%)、「メニューの見直しや新商品の導入」(26.4%)が特に多く挙げられた。その他「オンライン注文システムの導入・改善」(19.2%)、「顧客への特別プロモーションや割引」(10.2%)との声もあった。
一方、売り上げが落ちた経営者は、どの部分で差がついたと考えているのか。
約4割が「売り上げが大幅に減少」 何に後悔してる?
コロナ前と比べて売り上げが減少した飲食店は、どれくらい売り上げが落ちたのか。37.7%の経営者が「大幅に減少した(減少率50%以上)」と回答。「やや減少した(同10〜50%未満)」が約半数となる48.1%、「少し減少した(同10%未満)」が14.2%という結果となった。
売り上げを伸ばすために始めたもののうまくいかなかった取り組み(複数回答)は「デリバリーサービスの拡充」(40.8%)と「メニューの見直しや新商品の導入」(40.4%)が、どちらも4割以上を占めた。3位は「オンライン注文システムの改善」(27.0%)、4位は「店舗経営の見直し」(21.1%)と続いた。
回答者からは「経費を削れるところは、無駄なく削っておけばよかった」(50代・男性/神奈川県)、「メニュー開発を早い時期から改善し、顧客のニーズに合ったラインアップにしておくべきだった」(50代・女性/長崎県)などの声があった。
売り上げが伸びた飲食店と減少した飲食店、同じ取り組みをしていても結果に大きな差が生まれていることが分かった。
双方に「安定した経営や売り上げを伸ばすために必要だと思うこと」を尋ねたところ、最も多くあがったのは「運転資金に余裕を持った状態での経営」(45.9%)だった。以降「経費・固定費の削減」(42.3%)、「飲食店経営における知識と実践経験」(37.0%)と続いた。
調査はコロナ前後で売り上げが伸びた飲食店経営者501人と減った飲食店経営者522人を対象にインターネットで実施した。調査期間は10月3〜9日で、有効回答数は1023人。
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