『ドラゴンクエスト』位置情報ゲーム、リアルイベントも好調なワケ スクエニに聞いた(1/4 ページ)
『ドラゴンクエスト』位置情報ゲームのリアルウォーキングイベントが盛況だ。ゲームを運営するスクウェア・エニックスは、なぜリアル開催にこだわったのか。同社の柴貴正プロデューサーに開催の経緯を聞いた。
人気ゲーム『ドラゴンクエスト』をモチーフにした位置情報ゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」(以下:DQウォーク)のリアルウォーキングイベントが、富士急ハイランドで開催された。2回目の開催となる今回は、山梨県富士吉田市のイベントスペース「コニファーフォレスト」から出発。すぐ北側の富士急ハイランドにも点在する6カ所のスポットを徒歩で回りつつ、イベント限定のゲーム内アイテムなどを獲得していく。
DQウォークのリアルイベント、関東で初開催
第1回目のリアルウォーキングイベントが2022年12月に関西(大阪・万博記念公園)で開催された際には、2日間で約5万人が来場したという。関東で初開催となる今回はさらに混雑が予想されるため、開催期間を倍の4日間(10月19〜22日)に設定。各地からの来場者の分散を図った。
今回のリアルウォーキングイベントでは、初日の朝から1000人以上のユーザーが待ち構え、開場後は広い敷地内を1日中ウォーキング。参加者は、会場の1つである富士急ハイランドの物販をかなり利用していたようで、飲食店側が驚くほどの盛況ぶりをみせた。会場を提供した富士急ハイランド側にも、思わぬ波及効果があったようだ。
DQウォークは、位置情報ゲームアプリの直近のランキングではアクティブユーザー数が3位にもかかわらず、消費支出(いわゆる「課金」ならびに広告収入など)では1位をキープ(9月1〜16日の集計。App Annie Japan調べ)。位置情報ゲームとして先発の「ステーションメモリーズ!(駅メモ)」「ポケモンGO」、後発の「信長の野望 出陣」「モンスターハンターNow」に負けず、安定して上位をキープしている。
データを見る限り、DQウォークのユーザーは、ゲームにしっかり課金する消費意欲があることがうかがえる。かつ都心から2時間もかかる富士急ハイランドでのイベントに数万人が集まること自体、ユーザー・ファンの熱量は相当なものと言えるだろう。
ゲームアプリでは、ユーザーが多くても課金が伸びなかったり、逆にあまりの課金圧力に一部を除くユーザーが離れたりと、ユーザーの支持と収益性が必ずしも一致しない場合がある。DQウォークはなぜ、幅広いユーザーに支持を受けつつ、収益性・事業性を確保できているのだろうか。ゲームアプリとしてのビジネスモデルを分析する前に、せっかくなので、リアルウォーキングの会場内に潜入してみよう。ユーザーがどのようにゲームを楽しんでいるのか観察していると、DQウォークの強みが少しずつ見えてきた。
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