「営業活動の進捗どう?」 上司の質問の意図をどう見抜くか、2つのパターンを紹介:営業コミュニケーション大解剖(1/2 ページ)
営業活動をしていると、時に上司からさまざまな問いかけをされます。そのとき、上司はどのような意図で質問しているのでしょうか? 上司の意図を見抜き適切な返答をするためにどうすべきか、上司の意図を2パターン紹介します。
営業の仕事に取り組んでいる中で、突然上司から案件の進捗(しんちょく)を尋ねられ、焦った経験をお持ちの読者も多いのではないでしょうか? 営業会議に向けた資料を準備しているなど、理由が明確であればいいのですが、特に思い当たる節がないのに聞かれるのは不安ですし、それが頻繁だと煩わしくなってしまいますよね。
しかし、上司がよほど気まぐれな性格をしているという訳でもない限り、質問してくるからには何かしらの理由があるはずです。それを事前に把握しておけば、上司の質問の意図を推測しやすくなり、状況も切り抜けやすくなるでしょう(ちなみに、質問された理由は分かっているけれど、なんとか言い訳しなくてはならない場合の対応は前回の記事をご覧ください)。
この記事では、上司が案件進捗を確認してくる背景を、営業メンバーに課題があると上司が考えているパターンと、実は上司のほうが困っているパターンの2つに分けて、それぞれ解説していきます。
上司の案件進捗の意図:部下の活動進捗を心配している
1つ目のパターンは、尋ねられた本人に自覚がなくても、上司の目線では営業活動が順調に進んでいるか懸念がある場合です。
信頼している部下であれば本人に任せて自由にやらせることもできますが、過去・現在・未来の情報を踏まえて心配事がある場合には、常に状況を把握しておきたいと考えても不思議ではありません。
心配事としては、過去の営業成績が良くなかったことがある、入社や異動して間もないため業務に慣れていないかもしれない、業務量が足りていない・業務に真面目に取り組んでいないのではと疑っている、目標の難易度が高いため達成できるか不安がある、などがあり得ます。このパターンの場合、1回進捗を尋ねただけで上司の不安が解消されるとは考えにくいので、繰り返し質問されてしまう場合が多いでしょう。
また、上司は部下が正直に情報を出しているかについて、報告内容だけでなく、話しぶりや顔色なども見て見極めようとしているかもしれません。もしもこの手の質問に煩わしさを感じているなら、まずは上司が何を心配しているのかをくみ取り、安心させるような行動を取る必要があります。
正攻法では、今の自分の状況に問題がないことをデータや論理的な説明で示すやり方が考えられます。印象論ではなく、根拠が明確な説明であれば、上司も納得しやすいでしょう。
一方で、日頃から都合の悪いことを隠してしまいがちだという自覚があれば、コミュニケーションの姿勢を見直す必要があるかもしれません。実際、営業メンバーの中には自分の手の内を明かすことを嫌がり、上司に対しても結果しか報告しないタイプの人が一定数います。
確かに、営業の途中経過に関する情報を絞ることで、自分のペースで動きやすくなることはあります。しかし、それが上司の不信を招き、かえって頻繁に質問される結果になっているのなら、伝える情報を増やすことでむしろ手間を減らせるかもしれません。上司の手助けや攻略のヒントを得られる機会が増えるという別のメリットもありますので、ぜひ「上司が求める情報を、過不足なく、うまく伝える」ことを意識してみてください。
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