ChatGPTが受注率も算出できる「良い営業データ」とは? AI時代のデータの作り方:【プロンプト公開】(1/5 ページ)
AI時代に求められる「良い営業データ」とはどういうものでしょうか? 良い営業データとAIを組み合わせることで、さまざまな営業業務の自動化が可能になります。実際に良い営業データをChatGPTに入れてみたところ……
前回は、セールステックの先進国である米国やドイツでの営業×AIの現状と、日本企業が同様にAI活用を進めるための道筋と具体的な事例についてお話しました。
本連載では営業組織でAIを導入するための具体的なノウハウをお伝えしてきましたが、今回はAI活用に欠かせない「データ」の要件について、実際にChatGPTに「良いデータ」「ダメなデータ」を入力した結果を例に解説していきます。解説は、グーグルジャパンで営業統括部長、freeeで営業統括役員を歴任し現在はMagic Momentの代表を務める村尾祐弥が担当します。
【プロンプト公開】ChatGPTが受注率も算出できる「良い営業データ」とは
まずは「ChatGPTでAIが読み込めるデータ」とは何かを考えましょう。データ品質による出力結果の違いを検証するために、試しに当社で営業活動のメタデータを2パターン作成し、ChatGPTに案件の受注確率と判断理由を聞いてみました。
2つのメタデータの違いですが、左図は情報が定義・整理され、整合的に取り扱える状態の「構造化データ(良いデータ)」、右図は定義や分類がされていない「非構造化データ(ダメなデータ)」です。構造化データは会社名、分類、受注理由といった情報が漏れや重複なく整理されている一方で、非構造化データは案件ごとに情報のばらつきがあります。
ChatGPT4.0にそれぞれのメタデータを入力し、同じ質問をします。「株式会社東京ソリューション(エンプラ)と商談中。製品Aを使っている。過去データから受注の確率、その時の理由は分かる?」という質問をし、左側は構造化データ、右は非構造化データを入力した場合の出力結果です。
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