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暖冬でも爆売れ、山善の「着る電気毛布」 数万件のレビューを分析して見えた改善点(3/4 ページ)

電気代の高騰による節約意識の高まりから、節電タイプの暖房器具が注目を集めている。家電メーカーの山善が手掛ける暖房アイテム「くるみケット」もその1つだ。開発担当者の加美将希さん(同社家庭機器事業部)に話を聞いた。

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レビューをもとに5つの点を改善

 23年モデルでは、ユーザーから寄せられた数万件のレビューをもとにリニューアルを実施。大きく5つの点を改善した。

 1つ目は、つま先部分のポケットにマチを付けたことだ。つま先部分のポケット自体は22年モデルにもあった。足先まで暖かく包まれるようにと配慮したのだが、「足を入れにくい」「足を入れるとつっぱった感じがする」という声があったという。そこで、ポケットの底にマチを付けて余裕をもたせ、足の出し入れをしやすくした。

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つま先部分のポケット(同社提供)
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足を出し入れしやすくするためのマチ(編集部撮影)

 2つ目はストラップの形状だ。「くるみケットはエプロンのように着用するのですが、動くとストラップがずり落ちやすいという課題がありました。そこでH型のストラップを採用し、着用感を向上させました」(加美さん)

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H型のストラップを採用(同社提供)

 3つ目はストラップのボタンだ。ボタンには着丈を調整する役割がある。より開け閉めしやすいよう、大きいサイズのボタンに変更した。

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大きいサイズのボタンに変更(同社提供)

 4つ目はファスナーだ。「22年モデルは上から下へファスナーを閉めるタイプでした。ですが、これだと足元の可動域が少なく歩きにくいという意見が寄せられました」(加美さん)。そこで、ファスナーの開閉の向きを逆にし、下から上へ閉めるタイプを採用することにした。「こうすればチャイナドレスのスリットのように、ユーザーそれぞれが歩きやすい位置までファスナーを開け閉めできます」(加美さん)

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ファスナーの開閉の向きを逆に(同社提供)

 5つ目はコントローラー専用の「リモコンポケット」を新たに採用したことだ。こうすることで、移動する度にリモコンを持つ手間が省ける。また、立ったり座ったりと動くことを念頭に置いて、ポケットにある工夫をこらした。「ポケットの下にコードを通すための穴を開けました。この穴にコードを通してリモコンを収納すれば、動いたときにリモコンをポケットから落としにくくなります」(加美さん)

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コントローラー専用のリモコンポケット(同社提供)
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ポケットの下にコードを通すための穴を開けた(編集部撮影)

 電気代は、くるみケットを1日8時間使用した場合は約6.4円。1カ月あたりでは約192円だ。こたつは1カ月あたり約1200円、セラミックヒーターは約8940円、電気ストーブは約5940円となり(いずれも同社製品との比較)、その差は一目瞭然だ。

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