差別化が難しい今、選ばれる企業であるために
顧客のニーズをつかむことに成功し、顧客対応の自動化における理想形をつくったとしても、それで終わりではない。トレンドも変われば、顧客のリテラシーや嗜好も変わる。世代交代により代表的なチャネルの入れ替わりが起こるかもしれない。
常に顧客の声に耳を傾けて、対応を変化させる。さらに顧客の反応を定点観測しながら、人の対応で良かったのか、自動化の対応で良かったのかを検証する。チューニングを継続することが大切である。
今後、商材やサービスが均質化し、競合他社の差別化が難しくなっていくだろう。企業価値の向上につながる「顧客対応」が企業の個性となり、大きな武器となる。選ばれる企業であり続けるために、自社にとっての最適な顧客対応の自動化を目指していってほしい。
次回は、自動化の代表格であるAIとヒトによる顧客対応をテーマに詳しく解説していきたいと思う。
北岡 豪史
株式会社ベルシステム24 ソリューション推進本部 コンサルティング部 パートナー
多様な業種・業界向けのビジネスコンサルティングに携わり、2012年に株式会社ベルシステム24へ入社。ビジネス&ソリューションコンサルティングの専門チームを発足。自らもコンサルタントとしてビジネス改革・改善に取り組む。大規模コンタクトセンターでのデジタルCXセンタ―の実現など実績多数。CX専門メディア『コンタクトセンターの森』にて、プロフェッショナルブログを執筆中。
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