レゴランドの炎上、根本的にどこが間違っていた?:事例から学ぶ(1/2 ページ)
従業員の小さな勘違いが、SNSを揺るがす大問題に発展した。何がまずかったのか、どうすべきだったのかを振り返りたい。
従業員の小さな勘違いが、SNSを揺るがす大問題に発展した。
問題が起きたのは、レゴランドの入場ゲートだ。従業員が、ある来園者に対し「子ども用の年間パスポートで入場しようとした」と誤解。その来園者を寒空の下で40分以上待たせた上に、差額を支払うよう指示していた――こうした事のあらましが1月16日、当事者のX(旧:Twitter)で投稿され、またたく間に拡散されたのが発端だ。
これを受け、レゴランドジャパン(名古屋市)の社長である本多良行氏は、XのDM機能を使い当事者に直接連絡を取った。しかしこの連絡が不適切であるとして、さらなる批判を招いたのだ。本多社長は、自身のアカウントで個人間のメッセージを公開し、それを読んだ当事者やユーザーの間で非難の声が噴出、炎上を加速させた。
何がまずかったのか?
まず、社長が顧客への個人的なメッセージを公開したことは、プライバシーの侵害と見なされる可能性があり、これは顧客との信頼関係を一層損ねる行為であったといえる。また、謝罪の言葉が冒頭になかったことや、経緯や再発防止策などの提示がなかったことも、不誠実と受け取られた要素であった。
さらに、「99%のスタッフ」がよいスタッフであると言及していた部分も逆効果だった。この部分の書きぶりは、あたかも自社のスタッフ教育や管理に不備があったのではなく、当該スタッフ個人がたまたまよくないスタッフであった。組織ではなく個人の責任であると主張しているとも受け取れる文章だ。
今回、顧客との炎上は鎮火したかもしれないが、このメッセージが社内の士気をも低下させていないか非常に心配である。
もちろん、レゴランド・ジャパンの本多社長における対応について、全く褒める点がないかといわれれば、そうではない。
問題が発生した後、本多社長が迅速に対応したことは事実だ。これは、危機管理の上でも重要な姿勢である。通常、企業のトップレベルの幹部が直接顧客とやりとりするケースはまれで、顧客対応窓口からトップの声明が得られるまで数週間かかるような企業も珍しくない。
従って本多社長の行動は、問題を「自分ごと」として受け止めた結果とも取れる。顧客へ真摯に向き合おうとした姿勢は評価すべきものだろう。
では、もしビジネスパーソンとして本多社長と同じ立場に立たされた時、危機管理の観点から私たちはどのように対処すべきなのだろうか。
それは「東証システム障害」の事例から確認できる。
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