「ゲーミング着るこたつ布団」が話題 ゲーマーの「寒くても暖房を付けられない」に着目:「次の駅まで」に読めるハナシ(2/2 ページ)
日本の伝統的な暖房器具である「こたつ」。最近では、従来通り机にセットして使うだけでなく、「着る」タイプも登場するなど進化を遂げている。こうした中、ゲーミング家具ブランド「Bauhutte(バウヒュッテ)」を手掛けるビーズ社の「ゲーミング着るこたつ布団」が集めている。開発秘話を同社に聞いた。
ゲーミング環境ならではの課題
開発時にこだわったのは、大きさだ。「ゲーミング着るこたつ布団は、一般的なこたつ布団よりも約1.5倍長くしています。こうすることで上半身までしっかりと覆うことができます」(望月さん)
苦労したのは「温かさ」と「軽さ」の両立だったという。「こたつ布団を『着る』ためには、温かさはもちろん着ても疲れない軽さも大切でした」(望月さん)。何度も生地の仕様調整を重ね、毛布生地の中に中綿と不織布アルミシートを内蔵することで、軽量ながらもこたつの温かさを逃さない保温性を確保した。
約1年の開発期間を経て2023年10月に発売したところ、公式Xでの紹介ポストが1万以上のいいねを集めるなど大きな反響があったという。ユーザーからは「冬の間はずっとこのこたつ布団の中に引きこもっていたい」「ずっと考えていた理想のレイアウトを実現できるアイテムが出た」など、好意的な意見が多数寄せられたという。売れ行きも想定通りに推移しているそうだ。
もともと、寒い時期のゲーミング環境には課題があった。「ゲーミングPCはハイスペックであるため『熱暴走を起こしやすい』という弱点があります。部屋の暖房をつけると室温が高くなり、それにより熱暴走が起こりやすくなります。こうした事態を回避するため、ゲーマーの中には真冬でも暖房をつけずに過ごすという人もいました」(望月さん)
熱暴走を回避するためとはいえ、ユーザー自身は寒いことに変わりない。また寒さから手がかじかむとPCやゲーム操作にも影響が出てしまう。そのため「暖房をつけずともあたたかく過ごせるゲーマーのための防寒具」の開発は必須であり、そこに伝統的な暖房器具であるこたつがうまく組み合わさったといえる。
同社はゲーミング着るこたつ布団の他、「ゲーミング着る毛布『ダメ着4Gネクスト』」(オープン価格1万2480〜1万3280円)といった、着るタイプのゲーミングアイテムを展開。電気代高騰による節約志向から、ゲーマー以外にも在宅ワーカーや主婦(主夫)層などからの支持も集めているという。ゲーマー向けアイテムは、一般消費者からの支持をさらに拡大できるか。
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