管理職になる条件を見直す必要性
同調査ではパワハラの加害者は圧倒的に「上司」が多く、次いで「役員」「同僚」という結果に。いわゆる「管理職」と呼ばれる役職者が加害者となっていることが想像できます。
従業員に対し、若手のうちから業務スキルや商品知識などの研修を行っている企業は多いですが、一方でハラスメントに関する知識については、管理職になってから対応する、という企業が多く存在します。結果的に、多くの人がハラスメントに関する知識が十分でない状態で管理職になってしまい、無自覚の状態でパワハラをしてしまうのだと思います。
管理職がパワハラをしてしまうと、パワハラを受けた部下はその不満を後輩にぶつけてしまい、さらなるパワハラが発生してしまう負の連鎖も起こり得ます。
ハラスメントに対して十分な知識を持っている者でなければ管理職になれない、というような仕組みにすることで、会社の風土や水質も変えることができるかもしれません。
著者紹介:武田 正行(たけだ・まさゆき)
1978年東京生まれ。A型。2008年10月入所。
2001年3月に大学を卒業し、民間の会社に就職をするが、その年に退職する。その後2002年4月から自動車整備の専門学校に入学し、2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車ガソリン整備士資格を取得、2004年3月に卒業。
2004年4月から2008年9月までハーレーダビットソンのディーラーで整備士として勤務していた。
2013年9月より、海外進出プロジェクトのメンバーとして、アジアを中心とした海外進出に必要な労務管理、社会保険についてのアドバイスを行っている。
現在は約20,000名の企業様の社会保険手続きや数万の企業の相談顧問を行っている。また、ハラスメント・コンプライアンス外部相談窓口のリーダーとして相談員の業務も行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
指示ナシ組織で中間管理職を救え! 「忙しすぎ問題」の背景に2つの元凶
もう令和なのに「飲み会セクハラおじさん」が減らないワケ
「管理職になりたくない」 優秀な社員が昇進を拒むワケ
昨今は「出世しなくてもよい」と考えるビジネスパーソンが増えている。若年層に管理職を打診しても断られるケースが見受けられ、企業によっては後任者を据えるのに苦労することも。なぜ、優秀な社員は昇進を拒むのか……。
「管理職辞退」は悪いこと? 断る際に重要な2つのポイント
昨今「管理職になりたくない」「管理職にならない方がお得だ」――という意見が多く挙がっている。管理職にならず、現状のポジションを維持したいと考えているビジネスパーソンが増えているが、管理職登用を「辞退」するのは悪いことなのだろうか……?
「ホワイトすぎて」退職って本当? 変化する若者の仕事観
「ホワイト離職」現象が、メディアで取り沙汰されている。いやいや、「ホワイトすぎて」退職って本当? 変化する若者の仕事観を考える。
時短勤務や週休3日が「働く母」を苦しめるワケ 働き方改革の隠れた代償
男性育休の促進、時短勤務やテレワーク、フレックスタイム制といった従来の制度をより使いやすくする動きが進んでいる。子育てをしながら働き続けるためのオプションが増えるのは良いことだ。しかし一方で、「これだけの制度があるんだもの、仕事も子育ても頑張れるでしょ?」という圧力に、ますますしんどくなる女性が増えてしまう可能性も。
