1年間で5万個販売 1対1のコミュニケーションを重視
――販売開始2日間で約5000個を販売、初速がすごいですね。どういったきっかけで話題を集めたのですか?
TikTokに投稿した動画が300万〜400万回ほど再生されたことが大きかったですね。商品の値段が手頃なので、物は試しにという感覚で購入していただいた方が多かったと思います。
現状、通算の販売個数は約5万個です(取材:24年1月)。
――その後はどのように商品の認知を広げていったのでしょうか。
TikTokやInstagramのプロモーションが軸になっています。実際に購入していただいた方がSNSに投稿し、フォロワーを通じて広がっていきました。
購入者の方の投稿には、自社のアカウントで必ず反応しました。1対1のコミュニケーションが大事だと思っているので、そこは徹底しましたね。また、SNSを通して投票を行い新しい商品のカラーを決めるなど、ユーザーと一緒に新しい商品をつくっていく雰囲気づくりも意識しました。
23年の夏頃からは、タワーレコードさん・蔦屋書店さんなどの実店舗での取り扱いも増えています。SNS以外の販路が広がってからは、年齢層が高い方にも購入していただけるようになりました。
思わぬ需要も 幅広い活用方法
――既に5万個を販売と、多くの支持を集めている要因をどのように分析されていますか。
一番の要因はクオリティーだと考えています。例えば本物のレコードと同じような光沢感を再現した点は、身につけているだけでも気分が上がります。そこに加えて、一見普通のキーホルダーに見えるのに、スマートフォンをかざすと音楽が聴けるという驚きがある点を評価していただいたのではないでしょうか。実際、若い世代を中心に「おしゃれ」「かわいい」などの反響を多くいただいています。
活用の仕方も人によってさまざまで、部活のメンバー全員で同じ柄のキーホルダーをつけたり、複数人で思い出のプレイリストを登録したりと楽しみ方に幅があります。
また、私たちの想像を超えて、プレゼント需要が伸びてきています。恋人に思い出のプレイリストや曲を贈る、親御さんから子どもに受験や試合前の応援グッズとしてプレゼントするなど、自分で楽しむだけでなく、プレゼントとして選ばれることが増えました。こうした活用の幅広さも、支持を集めた理由なのかもしれません。
――最後に今後の展望をお聞かせください。
商品をより魅力的なものにするため、機能やデザインについて日々話し合っています。写真など音楽以外にも共有できるものはあるので、アプリ部分のアップデートも今後の課題ですね。
また、音楽レーベルや音響メーカーより、ライブグッズやキャンペーン企画のご依頼を多くいただくことが増えたので、法人事業も強化していく予定です。
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