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中国出張でPCは“肌身離さず”でなければいけない、なぜ?世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

昨年、中央省庁の職員3人が中国出張中、PCに不審なマルウェアを埋め込まれていたことが分かった。わずかな時間でホテルの部屋に侵入されたという。特に海外出張では、PCを常に携行するなど、警戒を強めて行動することが必要だ。

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重慶市で「事件」は起きた

 3人が中国出張に行ったのは、2023年10月中旬のことだった。今の時代、出張中であってもPCは欠かすことのできないものだ。3人は所属組織で使っている業務用の端末を出張に携行した。

 中国のいくつかの都市を回っていたが、訪問先の一つだった重慶市で「事件」は起きた。

 昨今、世界各地で起きている情報収集工作や犯罪行為を目的としたサイバー攻撃、ハッキング事件が広く報じられている。特に、機密情報を扱う政府高官や軍関係者、さらに裏情報を扱うジャーナリストなどは、出張先でもPCなどデジタルデバイスの扱いについてはかなり警戒しており、ホテル内であっても放置しないよう対策している場合が多い。

 中国出張をしていた日本の職員3人が、そういう実態を知っていたのかどうかは分からない。だが3人とも、重慶市で滞在中に、見事に不審なマルウェア(ウイルスなどの不正なプログラム)を埋め込まれていたことが判明した。というのも、その出張の途中で、もともとPCにインストールされていたマルウェア対策ソフトが不審なファイルを検知したのである。

 3人はその後、PCにはほとんど触らず、帰国後に徹底した調査が行われた。

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