スマホゲームの宿命「サービス終了」をどう乗り越えるか スクエニが用意した回避策(2/3 ページ)
1月14日、人気ゲーム『ドラゴンクエスト』から派生したゲームアプリを全て集めたリアルイベント「ドラゴンクエスト スマホフェス 新春感謝祭」が、東京ビッグサイトで行われた。複数のタイトルが一堂に会するリアルイベントを、なぜ配信元のスクウェア・エニックスは開催したのだろうか。
リアルイベントでスマホゲームを横展開
スマホフェスの会場において、スクウェア・エニックスは各タイトルのブースを設置。ブースでは、タイトルに合わせたアトラクションを用意したり、プレイの実演を行ったりした。ブースを訪れた参加者がアプリをその場でインストールし、早速プレイするという光景も多く見られた。
こうした光景が、複数のゲームタイトルを集めたリアルイベントを開催する理由の1つだと言えよう。『ドラゴンクエスト』という共通点を持つ参加者に、「自分が現在プレイしているゲーム以外にも、楽しめるものがある」と訴求する、“横展開”が可能になるからだ。
スマホゲームが逃げられない「サービス終了」
ビズヒッツ(三重県鈴鹿市)とGamerchを運営するエムフロ(東京都渋谷区)が共同で、スマホにゲームアプリを入れている社会人(有効回答数500人)に調査を実施した。スマホゲームの1日のプレイ時間について尋ねると「〜1時間」(37.4%)、「〜30分」(32.8%)、「〜2時間」(13.6%)と回答した人が多く、平均時間は1時間20分だった。スマホゲーム市場でファンを増やしていくためには、プレイヤーの限られた時間をいかにして獲得するか、つまり自社のゲームにどうやって時間を使ってもらうかが、永遠の課題なのだ。
しかし、各社の開発力やそれに割けるリソースは無限ではない。ユーザーからの評価や人気の有無だけでなく、激化する開発競争によりサービス終了を余儀なくされるゲームもある。スクウェア・エニックスとポケラボが共同企画した『SINoALICE -シノアリス-』は17年6月にリリースされ、同月末にはApp Storeのセールスランキングで1位を獲得。コミカライズやノベライズもされた人気ゲームだったが、「今後の伸長が望めない」と余力を残しつつ、24年1月にサービスを終了した。
今回のスマホフェスにも、このように名実ともに人気がありながら、サービスを終了せざるえないスマホゲームがあった。14年1月にリリースしたスーパーライトだ。
スーパーライトは、スクウェア・エニックスが初めてリリースした『ドラゴンクエスト』関連のゲームアプリ。『ドラゴンクエスト』シリーズの派生作品「ドラゴンクエストモンスターズ」をベースとしたRPGで、操作性は至ってシンプルながら、ゲームアプリではまだ少なかった「協力プレイ」(15年から実装)にも対応していた。同社のキラーコンテンツである『ドラゴンクエスト』を、スマホゲーム市場に投入する試金石でもあった。
スーパーライトは、リリースからわずか4日間で100万ダウンロードを突破する好スタートを切った。その後も順調にユーザー数は増加し、20年には3030万ダウンロードを突破した。
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