なぜ珍味のフォアグラを再現? 日本ハムが鶏レバーから「グラフォア」を開発した理由:50回の試作でフォアグラらしさを追求(5/6 ページ)
フォアグラを鶏レバーで「代替」する商品が好調のようだ。商品名は「グラフォア」。日本ハムが販売したところ……。
目標金額を1日で達成 自社D2Cでも人気
1年ほどの試作期間を経て完成したグラフォア。23年3月にMakuakeでテストマーケティング的に販売すると「すごい速度で売れた」と高崎氏が振り返る通り、目標金額をわずか1日で達成。
「Makuakeは、流行に敏感な方を対象にマーケティングする観点から販売チャネルに選びました。グラフォアはネーミングのインパクトもあったでしょうが、開発する経緯の部分にも目を向けて共感してくださった方が多いのではと感じています」
その後、同年6月に自社のD2Cプラットフォーム「Meatful」でグラフォアを発売。Meatfulは「Vision2030」で優先して解決すべきとした社会課題のうち「食の多様化と健康への対応」のため、消費者との直接的な接点として22年4月に開始したサービスだ。高崎氏は「これまでの主なチャネルであった量販店、ブランドや商品に込めた思いを直接、消費者の皆さまにリーチできる接点としてオープンしました」と話す。
ユニークなネーミングなども影響して話題を呼んだだけでなく、これまで家庭で味わうことがほとんどなかった、フォアグラ風のテイストを気軽に自宅で楽しめることから「出だしは好調」(高崎氏)。もともと開発した経緯であった業務用のニーズも堅調に推移している。
「ホテルのビュッフェやファミレスなどから引き合いをいただいています。1月に実施した商品展示会でも、グラフォアをご存じの上で来場いただく方がいて、手応えを感じています」
例えば、23年9月には「はなの舞」「さかなや道場」などを運営するチムニー(東京都墨田区)が、グループ313店舗で実施したフェアでグラフォアを使ったメニューを提供。同年9月20日〜11月30日には、INGS(東京都新宿区)が運営する「焼売のジョー」全店で、グラフォア入りの焼売バーガーを販売した。
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