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元「刑務所看守」がSalesforceエンジニアに リスキリングを成功させる企業のやり方がすごかった勝ち続けるためのリスキリング(3/3 ページ)

刑務所看守、芸能マネジャー、空港グランドスタッフ――これらは、現在Salesforceエンジニアとして活躍している社員たちの経歴だ。PC実務経験がない人も一人前にする研修体制とは

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なぜドロップアウトする人が少ないのか?

 ところで、入社したばかりの社員はこうした実践的かつ高度な研修を受けて、くじけることはないのだろうか? 研修を担当する佐藤彰太氏は、同期同士が支え合っているのも特徴的なカルチャーだと話す。

 「毎月十数人が入社し、同じ時期に卒業していきます。こうした同期同士の中で、助け合ったり、教え合ったりするカルチャーが自然と生まれています。

 講師も寄り添い、よく声をかけることで、分からないことはちゃんと聞くようにするマインドがセットされていると思います。お客さまの現場で分からないことを聞かれて分かったふりをしてしまうと、互いが不幸になってしまうので」

 研修や現場での経験を通して実力を身に着けた社員は、より高度な資格に挑戦する人もいれば、親会社であるテラスカイに移って開発職に挑戦するケースもある。テラスカイには13のグループ会社があり、キャリアの可能性の幅は広い。企業側の視点で見れば、手厚く育成した人材をグループ全体で生かせることを意味する。

ツールを提供するだけでは、顧客からの満足は得られない

 荒谷社長はセールスフォース・ジャパンで22年間キャリアを重ねたのち、テラスカイに常務執行役員として入社、テラスカイ・テクノロジーズの代表取締役社長を兼務している。最後に、同社のビジネスの面白さについて聞いた。


スキルを持った「人」で直接サポートできることが重要だ、と荒谷社長

 「Salesforceはサブスクリプションモデルで提供するビジネスです。お客さまに使い続けていただいて、初めて収益が出るのです。つまり、お客さまにずっと満足してもらわなければならない。

 そのためには新しい機能を出すのも必要ですが、Salesforceはサービスを定着・活性化させるための取り組みをすごく重視しているんですね。そのマインドは今でも持っているのですが、この会社はSalesforceにいたときにはできなかったことがやれます。それは“人”です。

 高いスキルを持った人間がお客さまのところで寄り添い、ダイレクトにサポートできる。こうしたビジネスに取り組めるのは非常に面白いなと思っています」

 今後テクノロジーが高度化していくにつれて、ユーザーとの間に入ってサポートするには人間の力、コミュニケーションの力が一層重要になる。変化の激しい環境では、対応力をもった人材を育成することが持続的な成長につながるのかもしれない。

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