日本の広告費2023 ネット広告は全体の45%、コロナ5類移行の影響は?
電通(東京都港区)が「2023年 日本の広告費」を発表した。その結果、2023年の総広告費は、通年で7兆3167億円(前年比103.0%)となり、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高を更新したことが分かった。
電通は2月27日、「2023年 日本の広告費」を発表した。その結果、23年の総広告費は、通年で7兆3167億円(前年比103.0%)となり、1947年の調査開始以降、過去最高を更新した。
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴って広告費はどのような変化が見られたのか。詳しく見ていこう。
日本の広告費 コロナ5類移行の影響は……?
上半期は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴って、リアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化などにより、広告費の回復が見られた。また、下半期は、社会・経済活動の活発化に伴い「交通・レジャー」「外食・各種サービス」「飲料・嗜好品」を中心に広告需要が高まった。
日本の広告費は「マスコミ4媒体広告費」「インターネット広告費」「プロモーションメディア広告費」の大きく3つに分類される。
進展する社会のデジタル化を背景に「インターネット広告費」は、3兆3330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新し、前年より2418億円増加。「インターネット広告費」が総広告費に占める割合は45.5%に達する結果となった。コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与したと考えられる。
また、前年に続き「テレビメディア関連動画広告費」は443億円(同126.6%)と伸長。「物販系ECプラットフォーム広告費」は、2101億円(同110.1%)となり、前年に続き在宅需要の普及などで増加した。「インターネット広告制作費」も動画広告市場の拡大などにより4359億円(同103.7%)と増加が見られた。
新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアをまとめた「マスコミ4媒体広告費」は2兆3161億円(前年比96.6%)と前年を下回る結果に。
一方、「イベント・展示・映像ほか」は、3845億円(前年比128.7%)と大きく増加した。コロナ禍で中止または小規模開催を余儀なくされたイベントが再開し大規模化したことや、インバウンド需要の回復に伴って複合型商業施設・テーマパーク・企業PR施設などのエンターテインメント施設における催事企画が増えたことが影響していると考えられる。
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