新幹線の「ワゴン」と「テレカ自販機」を販売して、どうだった? 知られざる2つの舞台裏:「次の駅まで」に読めるハナシ(1/4 ページ)
東海道新幹線で使っていた「ワゴン」と「テレカ自販機」を販売して、ちょっと話題になっていた。不要になったモノを販売していたわけだが、どのような反響があったのか。担当者に話を聞いた。
「熱いコーヒーにアイスクリームなどはいかがでしょうか?」――。
新幹線に乗っていて、「シンカンセンスゴイカタ……ではなく、アイスひとつお願いします」といった人もいたかもしれない。ワゴンサービスを楽しみにしていた人も多いと思うが、ご存じのとおり、JR各社がサービスを終了させている。
車内販売が終了している理由は、大きくわけて2つある。1つは人手不足。どの業界からも「ウチも人が足りないよ。誰かいない?」といった声が聞こえてきそうだが、新幹線のナカも例外ではない。採用にチカラを入れてきたものの、1列車当たりの“定員割れ”は続いていたようで、継続が難しいと判断したようだ。
もう1つは利用客の減少。『日本経済新聞』の記事(3月15日付)によると、JR東海でワゴン販売のピークは1990年代の初めだったとか。しかし、新幹線に乗る前に飲み物などを購入する人が増えていき、2018年の売り上げは10年前と比べて半減していたそうだ。
こうした変化に対して「時代が変わった」と言えばそれまでだが、利用客からは「残念。また復活してほしい」という声が聞こえてきそうである。復活させるハナシはいまのところ出ていないようだが、別れもあれば出会いもある。東海道新幹線の車内で使っていたワゴン(10万円)を販売したところ、「オレもほしい」「ワタシもワタシも」といった人が殺到したのだ。
限定50台に対して、応募数は1942件(2432台)。1月29日〜2月5日に申し込みを受け付けていて、倍率は48.6倍に達した。
販売を手掛けたJR東海リテイリング・プラス(名古屋市)の山田雄大さん(EC推進部)は、この反響をどのように受け止めているのだろうか。「多くのお客さまが利用されていたモノなので、思い出とともに販売できればと思っていました。社内からは『本当に売れるの?』といった声もありましたが、想定以上の反響にびっくりしました」とのこと。
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