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新幹線の「ワゴン」と「テレカ自販機」を販売して、どうだった? 知られざる2つの舞台裏「次の駅まで」に読めるハナシ(4/4 ページ)

東海道新幹線で使っていた「ワゴン」と「テレカ自販機」を販売して、ちょっと話題になっていた。不要になったモノを販売していたわけだが、どのような反響があったのか。担当者に話を聞いた。

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テープを貼ったままの理由

 最後に、ちょっと気になることがあったので紹介しよう。それは、テレカ自販機の本体にガムテープが貼られていること。緑色のテープがところどころに見受けられるので、年季が入った本体はペコペコになっているのではないか。カタチを保つためにテープで補強しているのではないか。……と思いきや、そうでもないようで。

 「新幹線から取り出すときに、後ろの配線を固定するためにテープで止めていました。ブラブラしていると危ないですし、見た目もいまひとつですからね。あと、そのテレカ自販機がどこで使われていたのか。車両番号などが記載されたメモを貼っていました」(山田さん)

 購入者に送る際には、このテープを外してキレイな状態で届けることもできるが、あえてそのままにしている。保管した状態を味わえるように、緑色のテープは残したままにしているようだ。考えてみると、車両から取り出すときにどの車両に設置していたのか、その情報がなければ証明書を発行できなかったわけである。


N700系の車両を記した証明書

 テレカ自販機を設置したのは、いつごろなのか。正確なデータは残っていないが、90年代にはあったと思われる。30年ほど前の話になるが、当時の担当者は「いずれこの自販機は誰かが買ってくれるだろうなあ」と思いながら作業をしていたのだろうか。


(画像提供:ゲッティイメージズ)

ワゴンも去って、公衆電話も消えて(画像提供:ゲッティイメージズ)

 山田さんは個人的な意見とした上で、次のことを語った。「目の前の仕事に精一杯だったと思います。携帯電話が普及していなかったので、公衆電話のニーズはものすごく高く、利用者も多かったですよね。テレカを補充したり、お金を管理したり、いろいろなことに追われていて『30年後のこと』を考える余裕はなかったかもしれません」と。

 ちなみに、テレカ自販機の撤去はまだ終わっていないようで、順番待ちのモノが何台かある。

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