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20万台を突破した「ミライスピーカー」が米国に “無名の商品”をどうやって売るのかテレビの音が聞こえやすくなる(4/5 ページ)

累計販売数が20万台を超えた「ミライスピーカー」シリーズ。テレビの音を聞こえやすくする機能に特化したスピーカーで、特許技術の「曲面サウンド」が使われている。2023年11月に米国に本格進出したというが、ニッチなカテゴリーでどう市場を切り開いていくのか。

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まだまだ手探り

 現在、サウンドファンのステレオは現地で299ドル(24年3月現在のレートで約4万5000円)で販売している。競合が販売する難聴者向けのサウンドバーは100ドル台から400台ドルなので、特段高いわけではない。とはいえ、無名ブランドのミライスピーカーが、現地で実績を持つ競合と戦うのは容易ではない。どうやってアプローチするのか。


現地の人と話すなかで「高齢者住宅」の存在を知り、田染氏は実際に足を運んだそうだ(筆者撮影)

 「現状は、国内同様にシニア世代をメインターゲットに据えています。現地には『高齢者専門の住宅』ができ始めていて、そこにアプローチするのもアリかもしれません。eコマースが浸透する一方で、郊外ではオフライン市場もいまだ大きいですし、広い米国のどこに高齢者の方がいるかを知るのが先決だと思っています」(田染氏)

 田染氏が言う「高齢者専門の住宅」とは、現地で「Cohousing(コハウジング)」と呼ばれている。10〜40世帯ほどが集まったエリアで、それぞれが家を持ちながら共有スペースをシェアして、意図的にコミュニティーを形成する暮らし方を指す。米国で浸透しつつあり、各地のコハウジングを探せるサイトもある。

 本格進出から約5カ月、現地のニーズが少しずつ見えてきたが、「まだまだ手探りだ」と田染氏は言う。

 「テレビの音の聞こえづらさは、実は幅広い世代から聞かれる課題です。シニア世代にアプローチする日本の戦略が現地でもハマるとは言い切れませんし、常に疑いながら動いている段階です」(田染氏)

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