急成長のハワイアンカフェ「コナズ珈琲」 なぜコロナ禍でも売り上げを伸ばせたのか:営業利益は約3倍(3/5 ページ)
「いちばん近いハワイ」をコンセプトに、食の「感動体験」を追求しているハワイアン カフェ・レストラン「コナズ珈琲」。店舗数や売り上げ、営業利益ともに右肩上がりで成長しているが、その理由は……。
「お皿」の変更で回転率をアップ
好調が続くコナズ珈琲だが、阿部氏がトリドールホールディングスに入社した約4年前にはある課題があった。「コナズ珈琲は当時から人気で、平日の開店前でも行列ができているほどだった。一方で提供時間に課題があり、顧客を待たせてしまうことや、行列を見た人があきらめて帰ってしまうこともあった」
同店はカフェ業態の中だが、食事メニューにも力を入れているのが特徴で、人気のパンケーキやロコモコ、ハンバーガーなどの定番メニューは1皿約1500〜2000円。ドリンクを付ければ1人2500円前後になるなど、比較的客単価は高い。しかし顧客の待ち時間が伸びてしまうことで、結果的に利益が大幅には伸びづらいといった状況もあった。
そこで阿部氏は、一部オペレーションを変更。従業員にも変更点を丁寧に伝えることで改善を重ね、顧客を待たせない仕組みを実現した。
具体的には、それまで1種類のみだったお皿を複数種類に拡充。一部メニューをサイズダウンすることで、小さなお皿にも料理を盛り付けられるようにした。
「変更前は、高さ約30センチのホイップクリームを乗せた人気のパンケーキに合わせて大きいお皿1種類を使用していた。しかし従業員の約9割が女性という中で、どうしても大きいお皿だと1回の提供で1つの料理しか運べない。厨房でも調理時にお皿が3〜4枚しか並べられず、できたての料理を提供するには、顧客を待たせてしまう状況が発生していた」
小さいサイズも含む複数のお皿を用意したことで一度に提供できる料理の数が増え、さらにお皿のカラーバリエーションによって、より「見ても楽しいメニュー」になるなど、副次効果も生まれたという。
結果として顧客を待たせてしまう時間が減ったことで回転率が向上し、売上利益も増加。予定していた新規店舗のオープンも順調に進み「コロナ禍でも比較的打撃が少なく済んだ」としている。
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