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「東京湾アクアライン」6車線にすれば“渋滞”は解消するのか 課題は他にある高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)

東京湾アクアラインは、海上の海ほたるPAの人気や千葉県側の観光スポットの充実もあり、週末は深刻な渋滞が発生している。6車線化などの設備改良に加え、ドライバーへの渋滞対策の周知など、多角的な対策が必要だ。

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 東京湾アクアラインは、千葉県木更津市と神奈川県川崎市を東京湾上の橋と海底トンネルで結ぶ自動車専用道路である。1997年の開通当初は通行料金の高さで利用者数が伸び悩んだが、国と千葉県が補助することで通行料金を大幅に引き下げ、木更津にアウトレットモールが開業したこともあって、一気に利用者数が伸びた。

 海上のパーキングエリア(PA)である「海ほたる」も人気スポットとなり、週末は渋滞の名所としても有名になってしまった。しかも構造上、ひどい渋滞となっても迂回(うかい)したり、途中で一般道へ降りたりできないため、ひたすらジリジリと進むのを耐えることになる。


東京湾アクアラインは海底トンネルと橋を組み合わせた、世界でもまれな自動車専用道路。海ほたるPAから海底トンネルに入り、川崎市の首都高速湾岸線に接続する

 東京湾アクアラインは全長15キロほどの東京湾横断道路であるが、全てを海底トンネルとしてしまうと工期が長くなるだけでなく、建設費も跳ね上がってしまう。そのため全体の6割を海底トンネル、残り4割を橋とすることで建設費を抑え、大型客船の通行も可能とする横断道路となったのだ。

 計画当初は川崎側も橋を作り、中央部分を海底トンネルとする構造が検討されていた。しかし、川崎側は羽田空港に離着陸する航空機のために高さ制限があり、また軟弱地盤のため、橋を諦め現在の構成となったとされている。

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