「丸亀製麺のカナダ1号店」がいきなり大繁盛! 全店2位の裏側で何をしているのか:想定の3倍を販売(3/5 ページ)
丸亀製麺のカナダ1号店がバンクーバーにオープンした。初日は長い行列ができる盛況ぶりで、予想の3倍となる1218杯を販売したという。どのようにして、初出店の地で繁盛店を作り上げているのか。
テーマは「日本のうどんをそのまま伝える」
丸亀製麺の海外店舗は、日本で定番の「かけうどん」や「ぶっかけうどん」などは展開しつつ、同時にローカライズにも注力している印象だ。特に英国ではその傾向が強く、ロンドン店ではチキン白湯やポーク豚骨、焼きうどん、ビーガンメニューなど日本にないメニューを幅広く取りそろえる。
一方、バンクーバー店では多少のローカライズはしているものの、テーマは「日本のうどんの味をそのまま伝えること」だという。日本の店舗と同じ製麺機を店内に置き、日本産の小麦粉で生地をつくり、日本同様の味や食感を維持することを重視している。
現状のメインメニューは「かけうどん」(6.49CAD:約720円)、「ぶっかけうどん」(10.99CAD:約1200円)、 「きつねうどん」(8.99CAD:約1000円)など日本同様のものと、海外丸亀でも人気の「肉玉うどん」(11.99CAD:約1330円)、ハワイや米国西海岸で人気の「肉うどん」(10.99CAD:約1220円)、「カレー肉玉うどん」(13.99CAD:約1550円)など、全9種類に絞っている。加えて、天ぷらなどのサイドメニューを提供する。
英国の店舗と比較するとメニュー数はかなり限定的となり、ビーガンメニューもなく、おむすびもない。焼きうどんなどオペレーションが複雑になるメニューや外国人スタッフにとって作る難易度が高いおむすび、それほど需要が高くないであろうビーガンメニューを省き、効率を優先しているという。
「現状は様子見の段階で、どこまでローカライズする必要があるかを探っています。メニューのラインアップはいずれ増やす予定ですが、現地スタッフが慣れるまでは効率重視で考えています。それでも売り上げは好調ですので」
価格帯は、従来の丸亀製麺と同様に日常的に通いやすい「ファストカジュアル(中価格帯)」としている。三澤氏いわく、「現地ではラーメン1杯の相場が15CAD(約1680円)ほど」とのこと。丸亀製麺では最も高いメニューでも13.99CADなので、かなりお手頃になるそうだ。
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