連載
『キャプテン翼』が連載終了 その功績と“機会損失”を振り返る:エンタメ×ビジネスを科学する(3/5 ページ)
『キャプテン翼』は4月の雑誌掲載にて漫画連載を終了し、今後はネーム形式で公式webサイトなどに掲載すると発表した。改めて同作の功績と、ある「機会損失」について振り返りたい。
欧州トップ選手も影響を受けた
加えて『キャプテン翼』は、日本国内だけでなく、サッカー強豪国を含むさまざまな国・地域で人気を博した。ここでも『ドラゴンボール』と同様、エンターテインメントに特化したことと、日本とは異なる形で普及していたサッカーに関する作品であったことが子どもたちの心をつかんだ。スポーツを題材にした健全なテーマは「親が安心して見せられるコンテンツ」のポジションを確立したとも考えられる。
欧州のトップレベルの選手にも『キャプテン翼』ファンは少なくない。元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ、フェルナンド・トーレス、元イタリア代表のアレサンドロ・デル・ピエロ、フランチェスコ・トッティ、ジェンナーロ・ガットゥーゾらが、幼少期にテレビアニメで『キャプテン翼』を鑑賞し、影響を受けたことを語っている。
ここまで浸透した背景には、主人公の大空翼をはじめとしたキャラクターの名前が各国の文化に合わせて最低限のローカライズがなされたこともあるだろう。『キャプテン翼』の題名は、スペインでは「Oliver y Benji」、イタリアでは「Holly e Benji」など、各言語で呼びやすい名前へ変更して放送された。
関連記事
- 模倣品か、世紀の傑作か――「パルワールド」が熱狂を生むワケ
爆発的人気と議論の渦中にあるゲーム「パルワールド」。そもそもどんなゲームであり、なぜここまで話題になっているのか。 - 『原神』爆発的ヒットの要因は、「無課金勢」を見捨てない設計にある
スマホゲームに触れたことがあれば、まず知らない人はいないであろう中国発のゲーム『原神』。ここまで巨大なゲームコンテンツとなった要因を分析する。後編。 - MAPPA単独『呪術廻戦』大成功の一方で……「製作委員会方式」は本当に悪なのか?
『呪術廻戦』が人気だ。同アニメの制作会社のMAPPA(東京都杉並区)が実行した「単独出資方式」に脚光が当たっている。これまで主流だった「製作委員会方式」とはどう違うのか? それぞれのメリット・デメリットは。 - 「アーマード・コア」10年ぶり新作が爆売れ “マニア向け”ゲームだったのに、なぜ?
フロムソフトウェアの「アーマード・コア」新作が好調だ。発売前からSNSで大いに話題となり、発売後初動の盛り上がりもすさまじい。なぜ、ここまでの盛り上がりを見せているのか。 - 「ゼルダ」実写化に見る、任天堂IP戦略の“理想像”とは
任天堂が『ゼルダの伝説』を実写映画化する。最近ゲーム以外へのIP活用の動きが目立つ任天堂だが、そこにはある「理想像」があるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.