なぜ「池袋〜新宿〜渋谷」は混んでいるのか? “郊外”だった駅が繁栄したワケ:都市の構造が変化(1/5 ページ)
平日でも混雑している山手線の西側エリア。開業時の利用者はほとんどいなかったが、なぜここまで繁栄したのだろうか。
JR山手線の「西側」エリアが混雑しているとよくいわれる。特に池袋〜新宿〜渋谷間は混雑が激しく、いつ乗っても人でいっぱいという状況だ。
このエリアから品川にかけては利用者の多い駅や人が集まる街が多くあり、それゆえに利用者は多い。並行する埼京線・湘南新宿ラインは本数が少ないため使い勝手がいまいちで、山手線に利用者が殺到するという構造もある。
そんな山手線も、いまでは平日昼間5分間隔、土休日昼間4分間隔で運行している。ラッシュ時の本数もコロナ禍前に比べると減っている。
しかし多くの人が戻り始め、インバウンドの観光客も再び日本に押し寄せるようになってきた。
新宿、渋谷、池袋あたりの東京西側主要駅は、いつも人でいっぱいだ。だが、このあたりのエリアは元から東京の中心だったわけではない。なぜ、混雑する駅になってしまったのか?
そもそも東京の中心は?
新宿駅近くには、東京都の行政機関である「東京都庁舎」(以下、都庁)がある。しかし新宿に都庁ができたのは、1990年12月。業務開始は1991年4月だ。その前は別の場所に都庁があった。
都庁は以前、千代田区丸の内、現在の有楽町駅近くにあった。「東京国際フォーラム」がある場所だ。丸の内のオフィス街に近く、銀座や有楽町といった昔からの繁華街にも近い場所である。
丸の内や大手町にはオフィス街、兜町には金融街、銀座や有楽町は繁華街というのがもともとの東京であり、それはいまも続いている。霞が関が官庁街というのも変わらない。
そして江戸城の跡地に皇居ができ、皇居から東京駅までは直線道路で1本。こちらのほうが、歴史的には古くからある「東京」である。なお、東京駅は1914年12月に開業。日本中から路線が集まるターミナルを意識してつくられた。
関連記事
- 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。 - 利用されない指定席券売機 やっぱり「駅の窓口廃止」は間違っている
インターネット予約のおかげで、新幹線の移動はとても便利になった。交通系ICカードと予約情報をひも付ければきっぷは不要。しかし便利なのは移動が新幹線で完結する場合だけで、在来線を乗り継いだり、一筆書き経路では窓口がないとお手上げだ。ところがその窓口が激減している。 - JRの「EXサービス」と「えきねっと」 どこで“差”が付いたのか
同じJRグループのサービスでも、「使いやすい」といわれる「EXサービス」と、「使いにくい」と言われ続ける「えきねっと」。その差はどこにあるのか……。 - 東京で隣の駅が「近すぎる」路線が存在するワケ
東京駅と有楽町駅、日暮里と西日暮里駅のように、都会には、駅間距離が短い場所がある。なぜ、そのような駅の設置の仕方をしたのだろうか。その理由は……。 - 「駅別マンション価格」を可視化したら、住みたい街が見えてきた
首都圏、特に東京23区では不動産価格の高騰が止まりません。「駅を変えれば、町を変えれば何とかなるのでは?」という希望をかなえるべく、中古マンションの価格を可視化してみました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.