「すごい高校生がいる」 アルバイトからココイチFC社長に就いた22歳、その素顔は?:教えて!あの企業の20代エース社員(2/2 ページ)
「カレーハウスCoCo壱番屋」をFC展開するスカイスクレイパーに22歳の新社長が就任した。その素顔とは――。
「泣きながら参加した」経営会議
約1年後(2024年5月)の次期社長就任に向けて、猛勉強がスタートした。西牧社長とともに、社外の関係先に挨拶に回った。経営を学んだ経験はなく、月に一度開催される経営会議では、知らない用語と、損益計算書など分からない数字ばかりで「毎回、泣きながら参加していました」と打ち明ける。
それでも分からないことが出てきたら、その都度、出席する幹部に質問を投げた。「会議を中断してしまうのは申し訳なかったけれど、分かったふりをして社長に就任するほうが、それこそ人に迷惑がかかる。今ここで少しの恥をかいておこうと思いました」(諸沢さん)
諸沢さんには、いつも心掛けていることがあるという。それは、即答すること。「目の前にチャンスが降ってきたら必ずつかむ。迷ったらダメ」
西牧社長から次期社長の打診を受けたときも、迷わず即答した。とにかく苦手を克服し、高みを目指したいという成長意欲が人一倍強いと自身を顧みる。
中学生のころ、運動が得意ではなかったが、あえて運動部を選び、バスケットボール部に入部した。体育の授業では、50メートル走で同級生に後れを取り、悔しくて「もう一度走らせてください」と先生に懇願したことも。「2回目も1回目と変わらず11秒でした」と笑いながら振り返る。
運動が得意になったわけではないが、当時の努力は「無駄だったとは思わない」と語る。「バスケ部で人一倍、声を出して応援したことが、今の接客に生きていると思います」
「いまどきのマインドではないけれど」
22歳といえば、いわゆるZ世代にあたる。コスパやタイパを重視し、業務における無駄を避けたいと考える人が多いと言われる。周囲を見渡せば、仕事よりもプライベートを重視する友達が多く、「仕事が大好き」な自分は「いまどきのマインドではないのかも」と諸沢さんは話す。
「社員、アルバイト、パートの皆さん、それぞれの働き方がある。自分の『仕事大好き』を押し付けようとは思っていなくて、それぞれに合った働き方を提案してあげたい」
いよいよ5月1日から新社長に就任。これから3年間は西牧前社長が会長として伴走する。当面の目標は、2024年中にまずは1店舗、新規出店を実現することだ。そのためには売り上げを確保し、店長クラスの人材を育成していく必要がある。
「社長になっても、現場に入って仲間と一緒に汗をかいて、お互い成長し高め合っていきたい」(諸沢さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
20代で「モンスト」開発部長に スピード出世を遂げたMIXIエースの「マネジメント論」
MIXIを代表するゲーム事業『モンスターストライク』は2023年に10周年を迎えた。10年たった今でもその人気ぶりは衰えず、世界累計利用者数が6000万人を超える。そんなモンストを支える開発組織には、29歳という若さで部長に就任したエース社員がいるらしい。
20代でマネジャーに“抜擢”も……あえて「プレイヤーに戻った」 サイボウズ若手の選択
「マネジャーになって視座が上がった」「メンバー時代には分からなかったことに気付けた」──そう語るのは、とある20代の若手社員だ。しかし彼は1年7カ月でマネジャー職を辞すことを決め、現在ではいちプレイヤーとして勤めている。

