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キリン、電気で「しょっぱくなる」スプーン発売 開発に5年、減塩食の物足りなさ解消へ(3/4 ページ)

キリンホールディングスは5月20日、食器型デバイス「エレキソルト スプーン」(1万9800円)の市販化を発表した。同商品はスプーンの先端から微弱な電流を流すことで、食品の塩味を約1.5倍に増強する機能を搭載している。「減塩食は薄味で物足りない」「減塩の大切さは分かるが続けにくい」といった声に着目し、約5年の開発期間を経て市販化に至った。

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なぜ「しょっぱく」感じる?

 エレキソルトは、人体に影響しない微弱な電流を用いることで、食品中のナトリウムイオンの動きをコントロールする。食品の塩分量を変えることなく、疑似的に「しょっぱさ」が増したように感じさせる効果がある。これは電気の力を活用して、食事の味わいを変化させる「電気味覚」を応用したものだ。

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エレキソルトは「電気味覚」を応用(プレスリリースより引用)

 宮下研究室の宮下氏によると、電気味覚で塩味を増強する仕組みはさまざまだという。その中の1つが、イオンと呼ばれる味の成分の動きをコントロールするものだ。

 何かを食べた際、塩味のもととなるナトリウムイオンは口の中で分散した状態にある。そのため舌に触れられず、「しょっぱい」と認識されていないナトリウムイオンが存在するのだ。

 エレキソルトは、食品を介して微弱な電流を舌回りに流すことで、分散したナトリウムイオンを舌に引き寄せる。「そのためエレキソルトを使用すれば、食べ物の塩分量を変えなくても、塩味をしっかりと感じられるようになります」(宮下氏)

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電気刺激による塩味増強効果(プレスリリースより引用)

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