ニュース
キリン、電気で「しょっぱくなる」スプーン発売 開発に5年、減塩食の物足りなさ解消へ(3/4 ページ)
キリンホールディングスは5月20日、食器型デバイス「エレキソルト スプーン」(1万9800円)の市販化を発表した。同商品はスプーンの先端から微弱な電流を流すことで、食品の塩味を約1.5倍に増強する機能を搭載している。「減塩食は薄味で物足りない」「減塩の大切さは分かるが続けにくい」といった声に着目し、約5年の開発期間を経て市販化に至った。
なぜ「しょっぱく」感じる?
エレキソルトは、人体に影響しない微弱な電流を用いることで、食品中のナトリウムイオンの動きをコントロールする。食品の塩分量を変えることなく、疑似的に「しょっぱさ」が増したように感じさせる効果がある。これは電気の力を活用して、食事の味わいを変化させる「電気味覚」を応用したものだ。
宮下研究室の宮下氏によると、電気味覚で塩味を増強する仕組みはさまざまだという。その中の1つが、イオンと呼ばれる味の成分の動きをコントロールするものだ。
何かを食べた際、塩味のもととなるナトリウムイオンは口の中で分散した状態にある。そのため舌に触れられず、「しょっぱい」と認識されていないナトリウムイオンが存在するのだ。
エレキソルトは、食品を介して微弱な電流を舌回りに流すことで、分散したナトリウムイオンを舌に引き寄せる。「そのためエレキソルトを使用すれば、食べ物の塩分量を変えなくても、塩味をしっかりと感じられるようになります」(宮下氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「シュクメルリ」が90万食の大ヒット 松屋はなぜ世界の珍しい料理に挑戦するのか
松屋の「世界の味」シリーズが好調だ。同シリーズは各国の料理を期間限定メニューとして提供するもの。4月23日からは新商品「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」を販売する。
卵を使わずマヨネーズを再現 キユーピーがこだわった「本物の味」の正体
キユーピーがプラントベース(植物由来)フード事業に力を入れている。プラントベースフードを展開する新ブランド「GREEN KEWPIE」のプロジェクトリーダー・綿貫智香氏に話を聞いた。
ドンキの“固すぎる”Tシャツがじわじわ売れている 開発者が生地の厚みにこだわったワケ
ドン・キホーテのユニークなTシャツが、じわじわ売れている。2023年11月に発売した「エレファントTシャツ」(3289円)は、生産の遅れから発売日が約2カ月ずれ込んだため、当初は苦戦していた。しかし、今年に入って消費者の認知が少しずつ広がっている。
ローソン、コーヒーなどの「濃さ」選べる仕様に 背景に“客離れ”回避

