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ドラッグストアの卵はなぜ安いのか? 「トモズ」データ戦略の裏側コロナ禍から復活(3/5 ページ)

都市型ドラッグストアを展開するトモズ。都心部に集中展開しているだけに、コロナ禍では大きな打撃を受けた。データドリブンの戦略によってどう立て直したのか。CDO渡瀬氏に聞く。

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ターゲティングは年代・性別でなく「購入額」で

――会員属性を基にしたターゲティングについて詳しく教えてください。

 カタリナさんにサポートしていただきながら、ターゲティングの精度を上げるために「デシル分析」というアプローチを導入しました。デシル分析とは、月間の購買額で顧客を10等分に区分けするアプローチです。それに基づいて、データ分析と取るべきアクションを週次で回していきました。

 購買額のトップを「VIP」と位置付けているのですが、VIP層は高価格帯の化粧品をよく購買します。このVIP層を増やすために、例えばトモズが扱っている化粧品ブランドの優位性をアピールしたり、その化粧品ブランドからも売り場を盛り上げていくために支援を得たりしています。


ドラッグストアのブランドイメージや出店しているエリアによっては、化粧品メーカーが卸してくれないケースもあるという。トモズは都市型かつ好立地に出店しているため、多くの化粧品ブランドを取り扱えると渡瀬氏は話す(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 これはあくまで一例で、それぞれの区分けで購買の特徴が全然違います。従って、単純な年代や性別という分け方ではなく、購買動向の特徴を把握して、区分けごとに適切なアプローチをするというのが大切だと考えています。顧客層ごとの購買動向を可視化することで、現場のスタッフにとっても納得感がある施策や行動につなげていけるようになりました。

 また、同じ住友商事グループであるスーパーマーケットブランド「サミット」もポイントプログラムを持っているので、ポイントを相互利用できるような仕組みも検討しています。顧客IDを統合し、お客さまにとってより便利に感じてもらえる提案をしていく方針です。

【訂正:2024年5月22日10時24分 本文中のポイントプログラムの記載について一部誤りがあり、修正しました。】

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