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「黒づくめの組織」が起爆剤に? 『名探偵コナン』の映画がヒットし続けるワケ:エンタメ×ビジネスを科学する(3/4 ページ)
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の勢いがすさまじい。だが、興行収入が大台を突破する理由は、コンテンツの魅力だけでは説明しきれない。
映画公開に合わせた新設定の公開 「原作連動」のパワー
プロモーション活動のみでは、2018年以降に見られた急激な人気上昇を説明するには不十分である。長年に渡り築き上げたファン層の基盤と、綿密に計画されたプロモーション活動に加え、大きな役割を果たしたのが原作の幹となるストーリーと連動した要素の強化である。
2018年以降、それまで伏せられていた設定やキャラクター間の関係性が漫画連載において次々と明かされ、ストーリーの中心にある幹に転換点が訪れた。そして映画作品においても、原作のストーリーや設定と深く関わる要素が強化されるようになった。
長年にわたり人気を博してきた漫画作品の映画化においては、従来、原作の進行に影響を与えないようパラレルワールド的な設定で製作されることが多かった。代表例は連載期間中に公開された『ドラゴンボール』映画シリーズである。名探偵コナンの映画作品も、初期は原作との関連性を最小限に抑え、ほぼパラレルワールドと呼べる扱いであった。しかし2018年前後を境に、原作の内容やスポットライトを浴びているキャラクターと映画との関係性が強化されていった。
この原作連動の強化は、単に連載の内容やタイミングが合致しただけでなく、マーケティング上の狙いも存在していたと考えられる。
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