コラム
私鉄に「駅が多い」のは、なぜ? 小まめに乗客を集めている背景:鉄道の雑学(2/4 ページ)
都市部の私鉄はJRと比較して「駅が多い」といわれるが、なぜなのか。理由を探ってみると……。
現在の都市圏私鉄は地域のためにつくられた
現在JRとなっている路線の多くは、もともと全国ネットワークのためにつくられた私鉄の路線だった。国だけでは鉄道網をつくり切れなかったため、有力者などの力を借りて鉄道網をつくり出し、後に国有化したのだ。独特の「沿線カラー」があり、私鉄っぽさもある中央線にも、そういった過去がある。
一方、関東や関西など都市圏で地域輸送のためにつくられた私鉄は、郊外と中心部を結ぶことを目的としているものだ。
中央本線が旧甲州街道から離れた場所を通っているのに対し、京王電鉄京王線は旧甲州街道沿いを通っている。東海道本線が旧東海道沿いを走る路線であっても駅を厳選しているのに対し、京急電鉄は細かく停車している。
ちなみに関西でも、阪神電気鉄道は並行する東海道本線よりも停車駅が多く、各駅停車のために加減速性能を向上させた車両を導入している。この鉄道は旧山陽道に並行している。
現在JRとなっている路線は、長距離路線のため人が少ないところを通ったり、駅を厳選したりしていたが、私鉄は短距離志向で、駅を小まめに設けている。
そもそも私鉄の駅は、どんな場所にあるのだろうか。
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