2015年7月27日以前の記事
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「マツダの快進撃」はまだまだ続く? 認証不正発覚から襟を正して未来を描けるか高根英幸 「クルマのミライ」(2/6 ページ)

マツダは2023年度、過去最高の業績だった。販売が好調だからだ。ユーザーを引き付けるポイントは3つある。トヨタ、スバルとの共同会見でもエンジンの未来を感じたが、その矢先に認証試験不正が発覚。日本の自動車業界は根本から変わらないといけない。

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エンジンで分かる、クルマへの熱意

 2つ目はエンジン技術である。最近復活を果たしたロータリーエンジンや、ガソリンでの超希薄燃焼を実現するHCCI(均一予混合圧縮着火燃焼)の現実版であるSKYACTIV-Xなど、独自のエンジン技術をいくつも保持しているのは、世界的に見てもまれな存在だ。

 最新のクリーンディーゼルである直列6気筒エンジンは、驚くべき燃費性能を実現している。さらに、負荷の高い領域をモーターでアシストすることで、現在のマイルドハイブリッド仕様より燃費性能を高められる道筋も見えている。

 トヨタのTHS(トヨタハイブリッドシステム)は燃費性能においては素晴らしいが、「エンジン車に乗っている」感はあまりない。ダイナミックフォースエンジンもかなり追い込まれた高効率エンジンだが、ハイブリッドの陰に隠れている感が否めないのは残念だ。

 それにトヨタの全方位戦略は見事だが、あれはトヨタの企業規模だから採用できるもので、マツダで同じことをやればたちまちリソースが不足して中途半端な開発しかできないだろう。

 これまでマツダはエンジンには力を入れるものの、トランスミッションはどちらかというと後回し的な印象であった。FRプラットフォームには8速ATが新設定されたが、横置きATも多段化などさらなる洗練を望みたいところだ。


直列6気筒ディーゼルエンジンとマイルドハイブリッド、8速ATを組み合わせたラージ群の新プラットフォーム

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