組織に必要な「キャプテン、リーダー、フォロワー」――バスケ強豪校を30年率いた名監督の「強いチームの作り方」:異才を見いだす「育てるマネジメント」(1/2 ページ)
組織に必要な「キャプテン、リーダー、フォロワー」それぞれの素質とは? 女子バスケットの名門・東京成徳中学校・高等学校で30年以上指導者を勤めてきた遠香(おか)周平氏は、若くエネルギーにあふれる一方でスキルやメンタルが発展途上なチームをどのようにまとめ、成長に導いてきたのか。その極意を聞いた。
【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2024夏 開催決定!
サイボウズ青野社長が語る、「チームワークあふれる会社」の作り方
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
【概要】「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか、DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギは何か――。ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が語る。
連載:異才を見いだす「育てるマネジメント」
働かないおじさん、管理職にならない若者……現代は、責任を負い、才能を育てるマネジャーへのイメージが著しく下落している。そんな中、不確実性が高い芸能界やアスリートの世界でも結果を残す名物マネジャーはどのようなことを意識してマネジメントを行っているのか――。多くのエンターテインメントビジネスのプロデュースを手掛けるFIREBUGの佐藤詳悟CEOが、今気になるマネジャーを訪ね、才能を発掘する方法、育てる方法、軌道にのった後のマネジメントの在り方を議論する。
吉本興業でナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、ロバートのマネジャーを務めた後、FIREBUGを立ち上げた佐藤詳悟氏。FIREBUGでは、才能を拡張させる“タレントエンパワーメントパートナー”として、多くのタレントのプロデュース戦略を手掛け、企業向けにはタレントを軸としたコンテンツを中心にマーケティングソリューションを提供している。
本連載では、マネジメントのプロである佐藤氏が、今会いたい“敏腕マネジャー”と対談し、メンバーのモチベーションを上げたり、才能を開花させたりするヒントを探っていく。
第6回目となる今回の対談相手は、女子バスケットの名門・東京成徳中学校・高等学校で長年指導者を勤めてきた遠香(おか)周平氏。何度もチームを表彰台に送り出し、日本代表チームなどで活躍するプロ選手を育成してきた。
記事の前編(「ちぐはぐでも『目標はメンバーが立てる』 全国制覇多数、女子バスケ名門校を率いる敏腕コーチのマネジメント術」)に続き、若きチームメンバーを成功に導くマネジメント手腕を明らかにしていく。若くてエネルギーにあふれている一方で、メンタル面でもスキル面でも発展途中の選手たちを、どのようにチームとしてまとめ、鼓舞してきたのだろうか。
組織に必要な「キャプテン、リーダー、フォロワー」 それぞれの素質とは?
佐藤氏: 遠香先生は、30年以上いろんなチームを見続けてきていますよね。同じ学校の部活動でも、世代によって、チームのカラーは異なりますか? もし異なるとしたら、チームの色を決めているものは何なのでしょうか。
遠香氏: チームの色を決めるのは、「リーダー」です。ちなみに私は、チームには「キャプテン」「リーダー」「フォロワー」が必要だと考えています。
キャプテンは、チームをまとめるバランサー的存在。基本的には、コーチが指名してその役職につきます。
リーダーは、チームの士気を上げることに長けている子。そしてフォロワーは、リーダーを支持してサポートする子。
リーダーとフォロワーは、キャプテンのように指名したからといってなれるものではありません。世代によってはキャプテンだけで、リーダーとフォロワーがいない年もあります。でも、「キャプテン」「リーダー」「フォロワー」がそろっているチームが、バランスの良いチームになりやすい。だから、リーダーはスカウト経由で探すことも多いですね。
佐藤氏: 遠香先生が、「ぜひリーダーになってほしい」とスカウトする学生の特徴はありますか?
遠香氏: 練習中や試合中にチームメイトを鼓舞していたり、どんな場面でも自分が率先して動いていたりする子が多いですね。リーダーに必要なのは、テクニックよりもみんなの前に出る「勇気」。そして、フォロワーに必要なのは、リーダーを支える「思いやり」なんです。
佐藤氏: ここでも、理念が生きてくるのですね(前編参照)。
遠香氏: はい。もちろん、勇気と思いやりは、部員全員に持っていてほしいものです。でも、リーダーとフォロワーには、特にその資質が求められます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「営業はしない」 「さらば青春の光」をヒットさせた敏腕マネジャーの仕事術
お笑いコンビ「さらば青春の光」のマネジャーを務めるヤマネヒロマサ氏。彼はどのようにして「さらば」の2人ひいてはザ・森東を成長させてきたのか。話を聞くと「いわゆる営業はしない」「普段はマネジャーだという意識はあまりない」と、独自の仕事論が明らかに。
組織改革は「前任者の否定」から 中央大陸上部が低迷期→箱根駅伝2位を実現できたワケ
中央大学陸上競技部で駅伝監督を務める藤原正和氏に、組織改革の秘訣をインタビュー。連続で箱根駅伝のシード権を逃すなど、藤原監督の就任前は低迷が続いていた中央大学陸上競技を、どのように変革してきたのか。就任直後のチームの状況や、箱根駅伝準優勝に至るまでの経緯を聞いた。
富士通の27歳エース社員、1年目で花形部署に異例のヘッドハント 信条は「3カ月で成果出す」
新卒1年目で富士通のグループ会社に入社した寺島さん。まさかの1カ月で異動希望を提出し、現在は本社の花形部署で働く。新卒4年目の現在までにどのような経験を積んできたのか、取材した。
20代で「モンスト」開発部長に スピード出世を遂げたMIXIエースの「マネジメント論」
MIXIを代表するゲーム事業『モンスターストライク』は2023年に10周年を迎えた。10年たった今でもその人気ぶりは衰えず、世界累計利用者数が6000万人を超える。そんなモンストを支える開発組織には、29歳という若さで部長に就任したエース社員がいるらしい。
ソニー半導体「27歳営業リーダー」の仕事術 なぜストーリー作りを重視するのか
センサー技術を得意とするソニーセミコンダクタソリューションズは、AIを駆使したエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」を展開。その最前線で働く27歳の深山大輔さんに、社内の調整や顧客との交渉を通して最適解を生み出す醍醐味を聞いた。

