コラム
東京の地下鉄には、なぜ分かりにくい「乗り換え駅」があるのか:鉄道の「雑学」(3/4 ページ)
首都圏の地下鉄乗り換えは「複雑で分かりにくい」と言われることがある。なぜ、そのような乗り換え駅が生まれてしまったのだろうか。
乗り換え時間を「30分限定」から「60分」に
地上乗り換えの場合、地下通路のように案内をあちこちに付けるわけにはいかず、迷いやすいという課題もある。しかも、乗り換え時間は30分限定。どこかで一休みしていれば、また初乗りになる。
そこで東京メトロと都営地下鉄は2020年6月、改札外乗り換えの時間を30分から60分に拡大した。初めて地下鉄を利用する人はもちろん、全ての利用者にゆとりを持った乗り換えを可能にするのが理由である。
虎ノ門駅と虎ノ門ヒルズ駅の乗り換えが可能になり、銀座駅から銀座一丁目駅の乗り換えも可能になった。特に虎ノ門ヒルズ駅に関しては、60分という時間を利用して虎ノ門ヒルズ内の商業施設を楽しんでくださいね……という意図があったのかもしれない。
状況が分からない人には迷ってもいいだけの時間を、状況が分かる人には何かを楽しめる時間を、ということで乗り換え時間が60分になった。これにより、ほかの分かりにくい乗り換え駅も便利になったといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
利用されない指定席券売機 やっぱり「駅の窓口廃止」は間違っている
インターネット予約のおかげで、新幹線の移動はとても便利になった。交通系ICカードと予約情報をひも付ければきっぷは不要。しかし便利なのは移動が新幹線で完結する場合だけで、在来線を乗り継いだり、一筆書き経路では窓口がないとお手上げだ。ところがその窓口が激減している。
JRの「EXサービス」と「えきねっと」 どこで“差”が付いたのか
同じJRグループのサービスでも、「使いやすい」といわれる「EXサービス」と、「使いにくい」と言われ続ける「えきねっと」。その差はどこにあるのか……。
東京で隣の駅が「近すぎる」路線が存在するワケ
東京駅と有楽町駅、日暮里と西日暮里駅のように、都会には、駅間距離が短い場所がある。なぜ、そのような駅の設置の仕方をしたのだろうか。その理由は……。
