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BAD HOPの「解散ライブマーケティング」は何がすごかった? SNS専門家が解説電通デジタルが読み解く、SNSマーケの最旬トピックス(2/3 ページ)

2月9日に解散したBAD HOP、その「解散ライブ」当日までの全方位な話題喚起の波状設計は完璧でした。彼らの「解散ライブマーケティング」は何がすごかったのか、SNSの観点から分析します。

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BAD HOPの来歴 川崎からの躍進

 そのHipHop的な「成り上がり」を2010年代以降のシーンで最も体現したのが、神奈川県川崎市出身のBAD HOPです。彼らは、川崎市東部の川崎区、さらに川崎区の工業地帯に存在する池上町出身。さまざまな歴史的背景が交錯するエリアで、その逆境的な生い立ちはVICE Japanがドキュメンタリー番組に収めています。

 彼らのリリックには、その川崎の原風景が何度も登場します。

俺らBayside出身 潮風で錆びる夕日

高く並んでるビルより 工場の方遠くを見る

(Bayside Dream, 2021)

North Side South Side 夢を見据えてる All Night

俺ら未だSouth Sideの住民票 書いたリリックが謄本

(KAWASAKI SONG, 2024)

 また彼らの楽曲を聴いていると、それまでの苦難を成功に結び付けるための思考法がリアリティを持って迫ってきます。特にYZERRのパートからそうした感銘を受けることが多いと感じます。

感謝している過去のPain、痛みすらも金にChange

(FRIENDS, 2021)

 そして、それと同時に音楽の力で成り上がり成功を手中に収めたとしても、仲間との絆を最上位に置く姿勢はぶれません。ギャングスタラップの要素を強調しつつも、その根幹には太く濃い人間関係への希求がある。その姿勢こそが、若年層を中心に支持を集める主要な理由ではないでしょうか。

奴がいくら捻じ曲げてもこれは切れない誰にも 錆びたChainでここに残ったよ友達と

(FRIENDS, 2021)

商売なら繁盛だぜ 仲間と巻くBAND

才能より愛情だけ ここまできたちゃんと

(IKEGAMI BOYZ, 2024)

 ここからは、国内のHipHopアーティストとしてさまざまな功績を積み上げてきた彼らが、どのようにSNSを活用し、東京ドームでの解散ライブまで走り抜けたのかについて詳しく解説します。

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