ビール列車があるのに、なぜ「京急蒲タコハイ駅」は非難された? 現地で聞いた「何が悪かったのか」の声:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
「京急蒲タコハイ駅」イベントが、NPO法人からの指摘を受けて一部実施内容を縮小することになった。問題点はどこにあるのか。現地を取材して見えてきたこととは。
「何が悪かったのか」の声も
蒲タコハイ祭に参加する店舗の様子を見るために、改札を出て蒲田の街に繰り出したところ、商店街ごとに温度差があることに気付いた。
京急蒲田駅とJR・東急の蒲田駅は800メートルほど離れている。京急に近い京浜蒲田商店街「あすと」では、3軒の店の前で蒲タコハイ祭のポスターを見ただけだった。全部の飲食店が参加したわけではなく、物販の店も多いのが分かった。
JR・東急に近い蒲田東口商店街には、先ほどと違い、多くのポスターが貼ってあった。
駅の反対側にある蒲田西口商店街では、物販の店が多いこともあるが、全くポスターを見かけなかった。
ポスターを貼った居酒屋の店員は、「1日に20人を超える利用者があった」とイベントの効果を強調。一方、ラーメン店では「1日に1〜2人いるかどうか。もう少し来ると思った」と、寂しげだった。業態によって、効果が分かれた模様だ。
蒲田は、つかこうへい氏の直木賞を受賞した小説で、映画や演劇にもなった『蒲田行進曲』の舞台になっている。かつて松竹蒲田撮影所があり、日本映画界の黎明期をリードした場所だ。東急線ガード下に沿って「バーボンロード」という個性的な店が集まる飲み屋街もあり、大人の酒文化を発信するにはもってこいな場所ではないだろうか。
「蒲田らしいイベントなのに、何が悪かったのか」という店主の声も、バーボンロードでは聞いた。バーボンロードでもポスターはまばらにしか、見かけなかった。
企画の趣旨として、京急・広報は「街のにぎわい創出及び商店街活性化のために、街全体を盛り上げることを目指して実施した」としている。
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