意外な面倒さも? 財布いらずの「スマート支払い」、店側はどう思っているのか:DXの難しさ(1/3 ページ)
飲食店や美容室を無断キャンセルする「ノーショウ」問題が深刻だ。デジタル活用で乗り越えられる部分と、そうではない部分があるようだ。
「ホットペッパーグルメ」など予約サイトを運営するリクルートは、2022年11月から「スマート支払い」というサービスを展開している。当日の会計を「手ぶら」で済ませられるのが利点で、予約した店を無断キャンセルする「ノーショウ(No Show)」を抑止するメリットがある。
スマート支払いは会計時における店舗側・客側双方の高い利便性から、着実に普及が進んでいるが、実際に導入した店舗はどう思っているのか? 話を聞くと確かに利便性を感じている店もある一方で、意外な「面倒さ」を感じているケースもあった。
無断キャンセルでも「請求」できる
スマート支払いは、リクルートが運営する予約サイト「ホットペッパービューティー」「ホットペッパーグルメ」で提供しているサービスだ。利用者は予約時にクレジットカード情報を登録しておく。すると、現地では店員から見せられた会計金額を確認するだけで店を出られるようになる。
先にクレジットカードで会計する「事前決済」と違って、決済金額が確定するのはあくまで「会計時」。そのため当日に追加注文をしても、その分はしっかり会計金額に反映される。
店舗側にとってはノーショウが発生したとしても、クレジットカードに料金を請求できるようになる。「団体予約のために食材を仕入れたのに、当日客と連絡がつかない……」といった事態を回避できるのは、店側にとって大きな安心材料となるだろう。
サービス提供開始からおよそ1年半がたった現在、利用可能店舗数は飲食領域で約1.6万店舗、美容領域(美容室、エステなど)で約1.7万店舗に達している。
スマート支払いの開発担当者、深海卓磨(ふかうみ・たくま)氏は「旅行の予約ではオンライン決済が当たり前になっている中で、飲食店や美容領域でもやらない理由はなかった。お店での支払い体験価値を今後も追求し、より浸透させていきたい」と話す。
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