「資さんうどん」東京・神田で3日間の衝撃 北九州発、チェーン店の勢いが止まらない:火曜日に「へえ」な話(2/4 ページ)
北九州のソウルフード「資さんうどん」の勢いが止まらない。2023年、大阪に初出店したところ、全店で売り上げがトップに。今年の7月、東京の神田に店を構えたところ、完売が続いた(3日間限定)。なぜ、人気を集めているのか、取材したところ……。
東京と大阪で「準備」
資さんうどんが東京の両国にオープン――。こうした情報を耳にすると「名古屋や静岡を飛び越えて、いきなり東京にやって来て大丈夫なの?」と思われたかもしれないが、“準備”は抜かりないようである。7月13日〜15日にPOP-UPレストランを東京の神田に構え、東京のお客はどんな反応をするのか、リサーチしていたのだ。
神田の店はわずか3日間のオープンだったが、毎日400食を用意。しかし、である。午前11時のオープン前に400人ほどが並んでいたので、担当者は「これは大変なことになる。早めに整理券を配ったほうがいいのではないか」と考え、2時間ほど前倒しで配ったものの、完売。最終組の整理券を手にした人が入店できたのは午後3時〜3時30分ごろ。つまり、6時間ほど待って、ようやく一杯のうどんを食べられたのだ。
どんな人が並んでいたのかというと、福岡に住んでいたことがあって、資さんうどんには馴染みがある人。東京に住んでいるものの、一度は資さんうどんを食べたことがある人。担当者はこの2パターンが多いのではないかと予想して、初日に調査したところほぼ的中していた。
しかし、2日目、3日目は違った。もちろん、上記の2パターンも多かったが、「SNSで話題になっていたから」「どんな味なのか、気になったのでやって来た」といった人が増えていたのだ。
なぜこのようなエピソードを紹介したかというと、資さんうどんは2023年11月、関西に初出店している。店名は、大阪の「今福鶴見店」。関西といえば出汁文化の中心地であり、うどん店がたくさん並んでいる激戦区である。会社としても「資さんうどんの味を受け入れてもらえるのか?」といった不安があったようだが、少しでも知ってもらうために、2023年7〜9月にかけてキッチンカーで回ったり、百貨店で販売したりした。
キッチンカーではすぐに完売したこともあって、急きょ追加販売する事態に。百貨店は2週間で7000人以上が来店し、最大2時間待ちのこともあった。ただ、大阪でお客に調査したところ「過去に資さんうどんを食べたことがある」人が多かったのだ。東京でも同じような傾向があるだろうと予想していたが、2日目・3日目には食べたことがない人が増えていた。
東京にも福岡出身の人は多い。また旅行や出張などで資さんうどんを食べたことがある人もいる。しかし、それだけではなく、「どんな味なの?」と興味をもっている人がたくさんやって来た。このことに手応えを感じたようだ。「進出してもやっていけるのではないか」と。
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