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お客が求める「おいしいコーヒー」神話 カフェ経営で見落としがちな“ほろ苦い現実”スピン経済の歩き方(2/7 ページ)

2023年に倒産件数が過去最多となった喫茶店・カフェ。その背景には、「苦い現実」があった。多くの人が喫茶店・カフェに求めることとは……。

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「コーヒーの味」を重視する客は思ったほど多くない

 実はあまり知られていないが、カフェや喫茶店で「コーヒーの味」を重視している客というのは、思ったほど多くない、というなんとも「ほろ苦い現実」があるのだ。

 十六銀行グループのシンクタンク・十六総合研究所(岐阜市)が2023年10月、中部地方(愛知県と岐阜県)の840人および全国420人の計1260人に聞いた「喫茶店・カフェの利用に関する消費意識調査」を公表した。

 その中で「利用目的」について質問している。喫茶店・カフェに行くんだから当然おいしいコーヒーを飲むのが目的だろうと思うかもしれないが、回答者のうち喫茶店・カフェへ「よく行く」とした人に利用目的を尋ねたところ、「おいしいコーヒー等を飲む」と答えたのは全国調査でわずか11.5%。岐阜県と愛知県はもっと低くて、それぞれ7.5%と6.6%という結果に。


喫茶店・カフェへ「よく行く人」の利用目的(出典:十六総合研究所のプレスリリース、以下同)

 つまり、コーヒー目的でカフェや喫茶店に来ている客というのは、実は10人中1人程度かそれ以下の少数派だったというわけだ。

 では「利用目的」として全国で最も多いのは何かというと、「休憩・リフレッシュ」(23.0%)。次いで「食事・軽食をとる(モーニングを除く)」(18.2%)、「会話を楽しむ」(16.4%)と続く。


エリア別の回答結果

 カンの良い方はお気付きだろうが、愛知県と岐阜県に関してはここに「モーニングサービス」が加わるので、「おいしいコーヒー等を飲む」が全国よりもワンランクダウンになってしまうというわけだ。

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